最近サービスを開始したばかりのauの「povo2.0」。
オンライン専用の新プランとして2021年3月に開始した「povo1.0」に代わる新しいサービスとして登場しました。「povo1.0」は2021年9月29日に新規受付を終了して、以降は「povo2.0」を受け付けています。
「povo1.0」は「povo2.0」よりもお得な点も多いですが、割愛された点があることも事実です。
そこで今回は、「povo2.0」の特徴に旧プランやLIBROとの比較などを解説します。
- auのオンライン専用プラン「povo2.0」の特徴とは?
- povo2.0の注目ポイントや注意点
- LIBMOの各種プランと比較してみた
- povo1.0(旧プラン)との違いは?
- 料金面の違い
- povo2.0で話題の「ギガ活」とは?
- povo2.0とLIBMO、こんな人におすすめ
- まとめ
auのオンライン専用プラン「povo2.0」の特徴とは?
「povo2.0」とは、KDDIと沖縄セルラーがオンライン専用の「povo」ブランドで提供するサービスのことです。楽天モバイルへの対抗策として始まったサービスであり、提供は2021年9月29日午前9時からスタートしました。
サービス開始前には、事前エントリーから対象のデータトッピングを購入した方へ、最初に購入したデータ容量に応じて最大20GBのデータがプレゼントされました。1ヶ月後の10月29日には契約数が100万件を突破するなど、反響も大きいといえます。
そんな「povo2.0」の特徴は、以下のとおりです。
1.基本料が0円からスタート
2.トッピングで自分好みのプランが作れる
下記から、詳細を説明していきます。
基本料が0円からスタート
「povo2.0」は、基本料0円のベースプランのみ提供されており、「利用しない月は0円」で、必要に応じてトッピングを契約して利用できるシステムとなっています。
ただし、ベースプランでの通話・SMSの利用は従量課金なので、これらを使うと料金が発生します。
ベースプランで通話・SMSを使うときの料金は、以下のとおりです。
- 国内通話料:22円(税込)/30秒
- 国内SMS送信:3.3円(税込)/通
また、データトッピング(データ通信の追加)がないときの通信速度は最大128Kbpsであり、キャリアメールにも対応していません。
トッピングで自分好みのプランが作れる
上記のベースプランに加えるトッピングは、大きく3つあります。
有料トッピング |
トッピング名 |
料金(税込)/回 |
データトッピング |
1GB(7日間) |
390円 |
3GB(30日間) |
990円 |
|
20GB(30日間) |
2,700円 |
|
60GB(90日間) |
6,490円 |
|
150GB(180日間) |
12,980円 |
|
データ使い放題(24時間) |
330円 |
|
通話トッピング |
5分以内通話かけ放題 |
550円 |
通話かけ放題 |
1,650円 |
|
コンテンツトッピング |
DAZN使い放題(7日間) |
760円 |
smash.使い放題(24時間) |
220円 |
コンテンツトッピングを加えると、「DAZN」や「smash.」が一定期間データも含めて使い放題となります。
また、24時間データ使い放題となるプランも提供されていますが、こちらはネットワークの混雑時や動画・クラウドゲームなどの利用時は通信速度が制限される場合もあります。
povo2.0の注目ポイントや注意点
「povo2.0」は大手キャリアとしては目新しいサービスを展開していますが、その注目ポイントや注意点は以下のとおりです。
1.通信トッピングはその都度購入する必要がある
2.コンテンツトッピングは必要なときに便利に使える
3.通話オプションや故障サポートは自動継続
4.通信容量を使い切ると128kbpsの速度制限がかかる
5.トッピングを180日間購入しないと強制停止の可能性がある
上から順番に詳細を見ていきましょう。
通信トッピングはその都度購入する必要がある
「povo2.0」でデータトッピングを購入しても、期限が切れるたびに購入しなければならないので注意しましょう。
そもそも「povo2.0」のデータトッピングは利用期限が決まっているので、期限が切れると毎回自分で購入しなければなりません。
各データ通信量の利用期限は、以下のとおりです。
1GB |
3GB |
20GB |
60GB |
150GB |
使い放題 |
7日間 |
30日間 |
30日間 |
90日間 |
180日間 |
24時間 |
たとえば、3GBを購入して30日を過ぎると保有するデータ通信量が消失するので、31日後に再びデータトッピングを購入する必要があります。
「povo2.0」は、データトッピングをその都度購入するのが面倒な方には不向きなサービスかもしれません。ただし、今後は自動でデータトッピングを購入する「自動チャージ」のようなシステムが登場する可能性もあります。
コンテンツトッピングは必要なときに便利に使える
「povo2.0」の注目ポイントは、コンテンツトッピングです。
コンテンツトッピングを追加すると、スポーツ関連の配信サービス「DAZN」とライブ配信などの動画サービス「smash.」を、利用期間の間はサービス利用時に通信量が消費されません。
コンテンツサービス |
利用期間 |
料金(税込)/回 |
DAZN使い放題パック |
7日間 |
760円 |
smash.使い放題パック |
24時間 |
200円 |
ただし、ネットワーク混雑時には速度が制限されることもあるので注意が必要です。
通話オプションや故障サポートは自動継続
データトッピングとは違い、通話オプションや故障サポートは自動継続されます。
「povo2.0」の通話オプションには「5分以内通話かけ放題」と「通話かけ放題」がありますが、どちらも購入後に申し出がない場合は自動更新として継続されます。
「スマホ故障サポート」も自動継続の対象であり、故障、破損、水漏れ(盗難、紛失は対象外)、年に2回まで端末交換の申し込みが可能です。
通信容量を使い切ると128kbpsの速度制限がかかる
「povo2.0」でデータ通信量の残量が0GBになると、通信速度が最大128kbpsに制限されてしまうので注意してください。
また、たとえデータトッピングを購入していても、有効期限が切れていればデータ通信量が消失してしまうので、同じく通信速度は最大128kbpsまで下がってしまいます。
128kbpsはLINEやメールといったテキストデータの送受信は行えるものの、WEBサイトの閲覧や画像の表示には時間がかかってしまいます。特に動画の再生は不可能な速度であり、再生が可能でも低画質であったり映像が途中で止まったりしてしまうでしょう。
他社のプランでも同じように、追加課金(チャージ)してデータ通信量を購入しない限り制限が解除されることはありません。
トッピングを180日間購入しないと強制停止の可能性がある
「povo2.0」は、有料トッピングの購入がない場合には利用停止または契約解除となる場合もあります。
厳密には、最後に購入した有料トッピングの有効期限の翌日から180日間で有料トッピングを購入しない場合が強制停止の可能性に該当します。
たとえば、20GBのデータトッピングを購入した場合、有効期限の30日を過ぎた翌日から180日後までに有料トッピングを購入する必要があるのです。つまり、購入した日からカウントすると20GBであれば210日間以内に有料トッピングを購入しなければなりません。
ただし、一部で例外はあります。
期間内の従量通話料とSMS送信料の合計額が660円を超える場合は、有料トッピングを購入しなくても強制停止の対象になることはありません。
セカンドキャリアに「povo2.0」を選ぶなど、利用する頻度が低く無料通話や故障サポートなどを契約していない場合は、定期的に購入履歴に注意してください。
LIBMOの各種プランと比較してみた
「povo2.0」と「LIBMO」、各種プランの料金を比較しました。
|
povo2.0 |
LIBMO |
|
契約事務手数料/解約手数料 |
0円 |
0円 |
|
データ通信量 |
1GB |
390円/回(7日間) |
1,078円/月 |
20GB |
2,700円/回(30日間) |
1,991円/月 |
|
データ通信量のチャージ(1GB) |
390円/回 |
330円/回 |
|
通常の通話料 |
22円/30秒 |
22円/30秒 |
|
SMS使用料 |
国内送信3.3円~ |
国内送信3.3円~ |
|
通話かけ放題(短時間) |
550円(5分)/月 |
935円(10分)/月 |
|
通話かけ放題サービス povo…「通話かけ放題」 LIBMO…「かけ放題ダブル」 |
1,650円/月 (国内通話無料) |
1,430円/月 (10分以内の通話無料・通話料上位3番号が通話時間に関わらず無料) |
|
故障サポート |
830円/月 |
418円/月 |
|
データ通信の繰り越し |
✕ |
◯ 翌月末まで繰り越し |
※上記の料金はすべて税込み価格
※LIBMOのデータ通信量は「音声通話機能付きSIM」の料金
データ通信量の比較では、低容量なら「povo2.0」が安く、大容量なら「LIBMO」が安いことがわかります。通話の料金は、通常の通話やSMSでは両者とも同額ですが、かけ放題においては「LIMBO」が安いという結果になりました。ほかにも、故障サポートにおいてもLIMBOの方が低価格で利用できます。
また、「povo2.0」のデータ通信量は繰り越しができません。各データトッピングの有効期限に達するとすべて消滅してしまいます。一方、LIBMOは当月余ったデータ通信量を翌月末まで繰り越すことができます
結論としては、「スマホの利用が少ない」という方には「povo2.0」が安く、「スマホの利用が多い」という方にはLIBMOが安いといえるでしょう。
povo1.0(旧プラン)との違いは?
auオンライン専用ブランドの旧プラン「povo1.0」と、新プラン「povo2.0」を以下の項目で比較します。
- 料金
- SIMカード
- 家族割の対象
- 契約可能な年齢
上から順番に比べていきましょう。
料金面の違い
「povo1.0」と「povo2.0」、料金面を比較しました。
|
povo1.0 |
povo2.0 |
月額料金 |
2,728円/月 |
0円 |
月間データ通信量 |
20GB/月 |
0GB |
データのチャージ (1GBの場合) |
550円/回 |
390円/回 |
20GBの料金 |
2,798円/月 |
2,700円/回 |
データ使い放題(24時間) |
220円 |
330円 |
制限後の速度 |
最大1Mbps |
最大128kbps |
国内通話料 |
22円/30秒 |
|
国内SMS利用料 |
3.3円/通 |
|
通話かけ放題(5分) |
550円/月 |
|
通話かけ放題 |
1,650円/月 |
※すべて税込の料金
全体的には、「povo2.0」の方が「povo1.0」よりも安い料金が設定されています。ただし、データ使い放題の料金のみ「povo1.0」の方が安くなっています。
移行時にSIMカードの挿し替えが必要
次は、「povo1.0」と「povo2.0」のSIMカードの差し替えについての比較です。
|
povo1.0 |
povo2.0 |
auからの移行による SIMカードの差し替え |
不要 |
必要 |
eSIMの契約 |
〇 ※auからの移行では不可 |
〇 |
ピクト表示 |
au |
一部端末は「au」 ※上記以外は「povo」表示 |
「povo1.0」では、移行時にSIMカードの挿し替えが不要なのに対して、「povo2.0」はSIMカードを挿し替える必要があります。ほかにも、ピクト表示についても「povo2.0」では、一部の機種は「povo」と表示されます。
ただし、どちらも「eSIM」の契約には対応しているものの、「povo1.0」ではauからの移行では契約することができません。
povo2.0はau家族割プラスのカウント対象外になる
「povo1.0」はau家族割プラスのカウント対象ですが、「povo2.0」はカウントの対象外です。
auの通常プランであれば家族同士の通話料金は無料ですが、「povo2.0」はau家族割プラスの対象外なので、家族同士の通話は22円/30秒の通話料金が発生します。
家族間で長時間の通話をする場合は、長電話になりやすい人だけ無制限のかけ放題を利用するしかありません。
13歳から契約可能に
契約可能な年齢は「povo1.0」では20歳以上でしたが、「povo2.0」は13歳以上へと引き下げられています。
povo2.0で話題の「ギガ活」とは?
「povo2.0」から開始した「#ギガ活」とは、店舗での買い物やサービスを利用するとデータ通信量が貯まるキャンペーンのことです。
「#ギガ活」には、大きく3つの特徴があります。
- もらう:店舗での買い物でデータ通信量をもらう
- さがす:街中やアプリのイベントなどに隠れたデータ通信量を探す
- あたる:抽選などでデータ通信量が当たる
「もらう」では、「対象店舗でau PAYを使用して一定額以上購入」あるいは「対象店舗やサービスで一定額以上購入」した人を対象に300MB~のデータ通信量を提供します。
KDDIでは、「#ギガ活」のパートナー企業を募集するなど、企業にとっても「povo2.0」のデータ通信量を利用した企画の施策ができるメリットもあります。
povo2.0とLIBMO、こんな人におすすめ
上記でご紹介した「povo2.0」と「LIBMO」ですが、それぞれどんな人におすすめなのかご紹介していきます。
povo2.0がおすすめの人
「povo2.0」がおすすめなのは、以下のような人です。
- スマホの利用が少ない
- 「DAZN」や「smash.」の利用が多い
- 通話時間は短いが、電話をかける件数が多い
「povo2.0」は、データ通信量が少ないほど料金が安く設定されているので、データ通信量の消費やスマホの利用が少ない場合は、安く済ませることができます。5分かけ放題の料金も安いため、電話をかける件数が多い場合に向いています。
LIBMOがおすすめの人
「LIBMO」がおすすめなのは、以下のような人です。
- データ通信量の消費が多い
- 故障サポートの利用を検討中
- 通話時間が長い
一方の「LIBMO」は、「データ通信量が多いほど料金が安い」という特徴があるため、データ通信量の消費やスマホの利用が多い場合は、料金が安くなります。また、かけ放題サービスは、povoとは一部仕様が異なりますが、特定の人との通話が多い場合にはLIBMOのほうがオプション料金を安く抑えられるでしょう。
まとめ
近年は総務省の後押しもあって、携帯電話のプランや料金も著しく変化しています。
「気づいたらお得なサービスやプランが開始していた」ということもあり、料金を節約できるのにそのままということも多いはずです。「povo」の場合は「povo2.0」が認知されていない可能性も高く、スマホの利用頻度が低い方にとってお得なプランであることは間違いありません。
逆にスマホの利用頻度が多いのであれば、「povo2.0」より安く利用できるLIBMOもご検討ください。