食費や日用品費の節約で知っておくべきコツとは?【節約コラム 第4回】

買い物をする女性

食品や日用品の値上げラッシュが続いています。帝国データバンクは、上場する主要な食品メーカーの価格改定動向を調査した結果、2023年の3月にはなんと3,000を超える品目において値上げが行われると発表しました。2022年の値上げでは約9カ月で15,000品目が値上げされましたが、2023年はその約半分の5カ月ほどで値上げ品目数が15,000に達すると予測されています。

この値上げのおもな原因には「原材料高」があり、今後の世界情勢を鑑みても、この値上げラッシュは年内いっぱい続く可能性が高いとされています。

このような状況下において、これまでと同じ生活を続ければ支出はかさむばかりです。そこで重要となるのが節約です。

しかし、節約はただ我慢すればいいものではありません。むしろ我慢ばかりの節約は長続きせず、効果を発揮することができません。

そこで今回は家計の食費と日用品に注目し、我慢をしすぎずに実践できる節約ポイントをご紹介します!

参考:帝国データバンク

 

食費や日用品費の目安とは?


はじめに、節約の目安となる食費と日用品の平均額について見ていきましょう。ただし当然ながら家族の人数や地域差によって金額は変わるため、あくまでも目安です。

 

平均的な4人家族の食費

家族の構成人数によらず、食費は家計に入る手取り額の15%が理想とされます。2022年に行われた調査の中では、有業者1名を含んだ4人家族の場合、1か月の食費平均は84,077円でした。この額には外食費(15,624円)や酒代(2,701円)が含まれるため、ライフスタイルによって金額は変動します。

家計における食費について、世帯主の年齢が上がるほど、もしくは食べ盛りのお子様がいると増える傾向です。また、共働きかそうでないかでも、家計に入る金額は異なります。食費の目安を測るにはエンゲル係数というものがあり、以下の計算で分かります。

 

エンゲル係数(%)=食費÷消費支出合計×100

 

支出に占める食費の割合と共に生活水準を測る指標でもあり、エンゲル係数が高いほど生活水準は低くなる傾向です。食品の値上げや消費税増加などの社会的背景も影響しますが、適正は15~20%、上限25%以内におさめるのが推奨されています。また、食費に家賃やローンの支払を含めた金額が手取りの50%以内になるのが理想です。

参考:サンキュ!カルモマガジン

 

平均的な4人家族の日用品費

日用品の定義には、食器や洗濯の「洗剤」、トイレットペーパーやティッシュなどの「紙製品」、日々の生活で使っている「掃除用具」「化粧品」「文具を含むオフィス用品」などがあてはまります。

総務省が行っている「家計調査報告書」の中には日用品の項目がなく、近いものとしては「家具・家事用品(家具、寝具、家事用消耗品など)」に相当します。なお、2022年に行われた調査に照らし合わせると、二人以上の世帯の場合で15,366円です。

日用品費にはオムツも含まれますが、家族にオムツを必要とする子供の有無でも日用品費は大きく変動します。相場は下記の通りです。

家族構成 月額の日用品費の目安
大人2人+子供2人 5,000円
大人2人+子供2人(オムツが必要な子供1人を含む) 10,000円
大人2人+子供2人(オムツが必要な子供2人を含む) 15,000円

参考:総務省

 

食費を節約するために「やったほうがいいこと」

野菜を切る女性


続いて、食費の節約に役立つポイントを紹介します。すぐに始められそうなことから取り入れてみましょう。

 

家庭の支出を正しく把握する

食費に限らず、節約を重視するなら1か月あたりの家計の支出を把握することから始めます。毎月どれほど使っているかを把握できていないと、どの位節約すればよいか判断が難しいからです。

ノートに家計簿をつけるようなイメージだけでなく、今では便利なスマホアプリも普及しています。家族などとの共有機能や電子マネー決済にも対応した「OsidOri」「Zaim」などのアプリもあるため、数ある家計簿アプリの中でも柔軟な管理ができるアプリは特におすすめです。

 

自炊の食費と外食費は別で管理

家計の食費を考えた時「自炊」と「外食」は分けて管理するのがコツです。外食の割合が多いほど食費は高くなる傾向があります。しかし、節約のために外食を一切禁止するというのは好ましくなく、ライフスタイルによってはかなり無理があるケースもあるでしょう。節約生活は長いスパンで考えることが大切なため、過度な我慢は長続きしません。食費の予算を自炊と外食できちんと分けるだけでも、節約効果は期待できます。

食費は家計に入る手取り額の15%が理想的ですが、この割合を大幅に上回っている場合、食費を減らすにはさまざまな工夫が必要です。おすすめは「食費の1割カット」で、現在の自炊と外食を足した食費から、それぞれ1割減らした金額を当面の食費の上限にします。これが達成できたらその暮らしを継続するか、目標設定に応じてさらに1割カットするなど徐々に理想へと近づけていきましょう。

 

献立を立てる

特に、料理が得意ではない方やレパートリーが少ない方は、献立作りを試してみるのも方法の一つです。事前に献立を作るのが手間に感じるかもしれませんが、献立があれば必要な材料が明確になるため、買いすぎや買い忘れを防ぐことにつながり、節約効果が期待できます。また、献立があれば毎日何を作るか悩む必要がなく、時短にもなります。

節約を考えた献立を立てるコツは以下の通りです。

  • ・主菜をパターン化する
  • ・平日5日のみ献立を立てて、週末は余った食材の活用や特別な料理、外食などをする調整日とする
  • ・賞味期限が短い魚は週のはじめか買い足し日に設定する
  • ・主菜のほか、おかずでご飯が食べられそうな副菜を組み合わせる
  • ・調理が簡単なレシピを取り入れる
  • ・レシピ検索サイトやお店にあるレシピカードを活用する

 

買い物リストを作ってから買い物をする

献立を立てて冷蔵庫の中身やストックを確認したら、必要な買い物が分かります。食費の節約を考えるならば、買い物リストを用意するのがおすすめです。紙のリストでなくともスマートフォンなどのメモ機能を活用すれば、次に買い物に行く際の参考にもなり便利でしょう。買い物リストやまとめ買いのコツには、以下のポイントが挙げられます。

  • ・使いまわせるキャベツなどの食材のレパートリーを増やしていく
  • ・市場価格が下がりやすい旬の食材のメニューを取り入れる
  • ・値段が高めの加工済冷凍食品を増やしすぎない
  • ・ネットスーパーやお店の配達サービスを活用する
  • ・チラシアプリなども活用し、よく行くお店の情報や特売日をチェックする
  • ・買い物の手間を減らすためにハシゴせず、買い物の回数と行きつけのお店を決める

 

冷蔵庫の中身を把握する

冷蔵庫の中身を確かめずに買い物に行くと、重複して余分に食費が増えてしまったり、必要なものを買い忘れたりすることがあります。対策として、冷蔵庫を確かめてから買い物に行く流れを習慣化すると良いでしょう。

使いかけの野菜などは一か所にまとめ、常に見やすく取り出しやすい冷蔵庫にしておくことをおすすめします。

 

食費を節約するために「やってはいけないこと」

スーパーの野菜売り場


節約を意識することは大切ですが、節約にしばられすぎてしまうのもストレスがたまります。ここでは、節約で「やってはいけないこと」を紹介します。

 

急に外食をゼロにしようとする

自炊に比べて外食は支出が増えます。仕事が忙しい方ならば自炊にかかる買い物や用意、片づけが負担になりすぎてしまうケースもあるでしょう。外食を無理にゼロにしようとせず、毎月の回数やタイミングを決め、メリハリをもって生活するのが賢い選択といえます。外食でも工夫次第ではお得に楽しめます。例えば、以下のような方法です。

  • ・外食にかける予算をあらかじめ決めておく
  • ・食費にかける予算分はほかの出費で抑える
  • ・クーポンやポイントカードを有効活用する
  • ・店舗が独自に行う「お得になる日」を狙う

食費を節約中でも、時折の外食を許してこそストレスが溜まらず長続きするものです。急な生活スタイルの変化を自分に課すのではなく、無理なく続けられるよう工夫をしましょう。

 

食品を買いすぎてしまう

買い物に行ったら「予定外のものを買ってしまった」という経験がある方は少なくないでしょう。お店で値引き品やセット販売などを見つけると、誰しもつい買いたくなるものです。節約を重視する場合、買いすぎは常に注意したいポイントです。あらかじめ買うものを決めたうえで、もし想定外のものが欲しくなった場合は、一度考えてからカゴに入れましょう。

ちょっとした対策ですが、スーパーではできるだけカートは使わず、かごを手に持って買い物をするのも買いすぎ対策になるのでおすすめです。

 

何度もこまめに買い物に行ってしまう

食品の買い物は、目安として週2回に収めるようにしたいところ。しかし、ライフスタイルによっては週2度のまとめ買いが難しいこともあるでしょう。

そういった場合、対応エリアは限られてしまいますが、イオンやイトーヨーカドー、西友などのネットスーパーが便利です。ネットスーパーの販売価格は実店舗と同じか数円ほどの違いで、生鮮食料品や冷凍食品、重量のある調味料やかさばるペーパー類も豊富に販売されています。

ちなみに一部のネットスーパーでは、子どものいる家庭向けに配送料の割引を行っているケースもあります。例えば「イトーヨーカドーネットスーパー」では、母子手帳を提示することで子どもが2歳から6歳の間の4年間、配送料が半額になります。また、生協の宅配サービス「パルシステム」では、子どもの1歳の誕生日まで手数料が無料になるキャンペーンを行っています。こういった特典についてもあらかじめチェックしておきましょう。

他にも、当日(翌日)配達サービスを行っている店舗を探す方法もあります。「買い物に行くとつい買ってしまう」「かさばる荷物は大変で、まとめ買いが難しい」という方であれば、買い物に行く頻度も減らせるのでおすすめです。

 

日用品費を節約するために「やったほうがいいこと」

洗剤


続いては日用品費の節約方法について見ていきましょう。こちらも日々のちょっとした心がけで節約を実践することができます。

 

必要な日用品をリストアップ

「リストアップなんてしなくても、必要なものは分かっているから困らない」と思った方ほど試してほしいのがこの方法です。あえて日用品をリストアップしておくことで、自然とリストにあるものしか買わないようになるため、余分に買ってしまうことや買い忘れを防げます。

日々の生活に必要な日用品としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ・トイレットペーパー
  • ・ティッシュペーパー
  • ・歯ブラシ
  • ・シャンプー、リンス
  • ・タオル類
  • ・洗濯用洗剤
  • ・食器用洗剤、スポンジ
  • ・料理に必要なラップ類、各種調味料 など

なお、リストの種類が多すぎても節約にならないため、リストを作る際は必要な消耗品や日用品を見直すようにしましょう。買うものリストの作成は買い物の負担を減らしつつ、節約にもなります。

 

1か月単位で必要なものだけをまとめて買う

ティッシュやシャンプーなど、毎日のように使うものが思わぬタイミングでストックがなくなっていて慌てた経験がある方もいるでしょう。日用品がなくなるたびに買い物に行っていると、ついつい余計な買い物をしてしまうものです。

節約を重視するならば、まずは給料日などタイミングを決め、この先1か月でなくなりそうな物を書き出します。一定の周期で買い足す必要のある物をあらかじめ買っておけば、予想外のタイミングで買い物に行く回数や手間が減り、無駄な出費を防げます。この先1か月という周期で考えれば、使いきれないほどストックしてしまう心配も減るでしょう。

 

買うものの種類を減らす

買うものの種類を減らすことを考えた時、見直すコツは「〇〇用(専用)」とネーミングされたものです。「〇〇用(専用)」という商品は企業側の販売戦略としてつけられていることもあり、必ずしもその商品でなければならないケースは多くありません。例えば洗剤では、主成分が同じであれば似たような商品にこだわる必要はなく、食器用の「中性洗剤」「漂白剤(ハイター)」、漂白剤と柔軟剤入りの「洗濯洗剤」が一つずつあれば十分です。

 

プライベートブランドに切り替える

プライベートブランドは、小売業者や卸業者自身が商品の企画から販売まで行っている商品です。例としてイオンの「トップバリュー」やセブン&アイグループの「セブンプレミアム」などが挙げられ、各社続々と新たな商品を販売しています。一般的にプライベートブランドは、CMなどの広告宣伝費を抑えられる分、販売価格を下げることが可能です。商品の種類も豊富にあり、日用品から食品まで多くの商品が販売されています。普段よく使うものほどPB商品に切り替えれば節約を実感できるでしょう。

 

日頃の使う量を減らす

最近は値上げラッシュが続いているため、これまでと同じ生活を続けていては支出が増えてしまうことは避けられません。むしろ、今の支出を維持するためには、日頃の使う量を意識的に減らす必要があります。例えば食器洗いのシーンでは、油汚れがついた食器は、洗う前に紙などでふき取っておくことで、洗う際に使う洗剤やすすぎの水を減らせます。

このように、何気なく毎日行っている家事のルーティンを、少しでも工夫できないか考えてみると良いでしょう。さまざまな節約アイディアはインターネット上にも多数公開されているため、他の方のアイディアを探してみるのも方法の一つです。

 

日用品費を節約するために「やってはいけないこと」

洗剤


日用品の節約では、プラスになることとマイナスになることの線引きがあいまいなため、両方を意識すると難しくなってしまうケースがあります。そこで、以下で紹介する節約の「やってはいけないこと」を中心に考えてみると良いでしょう。

 

大量にストックしてしまう

まとめ買いと大量ストックは紙一重にも思えますが、使いきれないほどストックしてしまうのには注意が必要です。狭い部屋に住んでいる方よりも、スペースにゆとりのある方ほど気をつけましょう。大量にストックしてあると「まだたくさんある」と思ってしまい、つい無駄遣いをしてしまいます。ネット通販は特に注意すべき点です。

 

セール品やポイント還元アップにつられて買ってしまう

スーパーやドラッグストアでは、期間や週末限定で独自のセール商品やプラスポイントなどのポイント還元アップ、割引券のついたチラシ配布などが行われています。こういったタイミングを狙って買い物をすることは良い工夫ですが、逆にいつもよりお得に買えると思って、必要ではない物まで買ってしまっては本末転倒です。ここまでに紹介したポイントも思い出し、日用品こそ計画的に買うようにすると余計な出費を減らせるでしょう。

 

まとめ

節約をすでに実践している方も、さらに工夫できないか考えてみることが大切です。節約を心がけても、すぐに結果が見えてこないこともあるかもしれません。それでも節約の意識があれば徐々に効果が見えてくるものです。すべての方に合う節約方法はないため、自分や家族のライフスタイルに取り入れやすいものから試してみましょう。

LIBMO BLOGでは、家計を直撃する昨今の値上げラッシュに備え、“無理をしない節約術”を特集しています。こちらのリンクから気になる内容をチェックしてみてください!

 

【値上げラッシュに打ち勝つ!節約コラム】

第1回:無理のない節約は「固定費の見直し」がおすすめ!

第2回:水道光熱費の節約に効くおすすめ行動&NG行動とは?

第3回:通信費は月いくら?削減に効く方法とは

第4回:食費や日用品費の節約で知っておくべきコツとは?

第5回:保険費は削減できる!?節約のコツ&注意点を詳しく解説

第6回:娯楽費・被服費を節約するコツとは?よくあるNG行動も紹介

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