保険費は削減できる!?節約のコツ&注意点を詳しく解説【節約コラム 第5回】


生命保険、医療保険、介護保険などを含む生命保険費は、毎月支払う「固定費」として一般化している家庭が多いでしょう。多少高いかもしれないと感じていても、将来や万が一の場合に備えて支払っておかなければならないものと認識し、家計における見直しの対象とはならないかもしれません。

しかし、保険費は適切に見直すことで節約につながるケースが多くあります。また、節約だけでなく、不要な保障を外したり、本来必要だった保障に気付くこともあるため、少しでも今の保険に不安を感じたら見直しを検討した方が良いでしょう。

この記事では、今の保険を見直したいと考えている方向けに、保険費の節約と見直し、および見直しに際してのタイミングと注意すべきポイントを解説します。

 

保険費は節約できる?

貯金箱


家計が苦しいと感じた時、何を削って何を残すかは非常に難しい問題です。その中でも「保険費」は、将来や万が一の場合に備えて払うべき「固定費」であり、削減は難しい感覚が強いかもしれません。

しかし、保険費は見直しを行うことで節約できます。世帯主、配偶者、そして子どもにかけているそれぞれの保険は、まとめたり解約したりすることで、大幅な家計改善につながる可能性があるのです。

ここでは、保険費の平均額について、公益財団法人生命保険文化センターの統計を参考に紹介します。そして、なぜ保険費を見直す必要があるのか、その理由も併せて解説します。

 

保険費の平均額は?

公益財団法人生命保険文化センターによる2021年度の「生命保険に関する全国実態調査」内の項目、「生命保険(個人年金保険を含む)の世帯年間払込保険料」によれば、2021年度における世帯の年間払込保険料の平均額(全生保)は37.1万円でした。月額にすると約3.1万円となります。

また、世帯主の年齢別における世帯年間払込保険料(全生保)のうち、2021年度の平均額は「30~34歳で26.2万円(月額約2.2万円)」「35~39歳で38.2万円(月額約3.2万円)」「40~44歳で34.8万円(月額約2.9万円)」「45~49歳で37.5万円(月額約3.1万円)」という結果でした。

この調査から、30代から40代という現役世代において、多くの世帯で約3万円の保険費がかかっていることが分かります。この平均額が多いか少ないか、あるいはちょうど良いのかは世帯によって異なりますが、内容によっては見直す必要があるでしょう。

次項で、保険費を見直すべき理由について解説します。

 

保険費を見直すべき理由

保険費を見直すべき理由は、大きく分けて2つあります。

 

1つ目は、「ライフステージの変化によって必要な保障も変化する」点です。

例えば、学生から社会人になった時点では、年齢や収入の観点からもあまり高額で保障内容が豊富な保険には加入せず、必要最低限の保険に加入する場合が多いでしょう。そこからライフステージが変化し、結婚・妊娠・出産というイベントを経る際に、保険の見直しが必要になります。

理由としては、家族が増えるという側面だけでなく、将来的に世帯の柱である世帯主に万が一のことがあった場合、家計が苦しくならないようにする側面があるためです。この時期に手厚い保険に加入する方は少なくありません。

そして、子どもが独り立ちして世帯状況が変われば、また保険の見直しが必要になります。不要な保障を含む高額な保険に加入したままでは、老後の生活に支障をきたすでしょう。このように、ライフステージに応じて保険を見直すことは重要といえるのです。

 

2つ目は、「現代医療に合わせた保険が増えている」点です。

現代は医療技術が進歩したおかげで、「入院期間の短期化」や「医療費の少額化」が進んでいる側面があります。そのため、長期入院や高額な医療費の支払いを前提とした保険に加入していても、その恩恵を受けづらく、むしろ損になってしまう恐れがあるのです。過去に加入した保険が現代の医療にそぐわない保障内容だった場合は、早めに見直しを行った方が良いでしょう。

 

保険費の節約につながる「保険の見直し方」

コインを虫眼鏡で拡大する人


では、具体的にどのような観点で保険を見直していくとよいのでしょうか。ここでは見直しの4つのポイントを詳しく解説します。

 

保障内容の見直し

まずは、今契約している保険の内容を確認することから始めましょう。例えば、「死亡保障」や「がん保障」などで保障される部分は貯蓄のみではカバーしきれない恐れがあるため、簡単に手放すことはできないと想定されます。一方で、十分な貯蓄があり、将来的に使う予定もないのであれば、「医療保障」は必ずしも継続しなくても良いでしょう。急な通院・入院が発生しても、貯蓄で十分賄えるレベルであれば、家計に与える影響はそこまで大きくないことが予想されます。

このように、将来的にないと困る保障と、なくても困らない保障とをしっかり把握し、継続するかしないかを見直すことが大切です。

 

不要な特約を外す

生命保険は、「主契約」と「特約」から構成されています。特約は主契約と異なり、付ける数に制限がないオプションとしての立ち位置です。付けておくと便利な特約もありますが、保険営業員にいわれるまま、どのような内容かよく分からずに付けてしまうケースも中にはあるでしょう。単に保険費が無駄であるだけでなく、内容を把握していなければいざという時に請求できないという恐れもあるため、自身がどのような特約を契約しているのかきちんと把握しましょう。不要な特約がある場合は、外した分保険費を節約できます。

 

重複している部分をなくす

生命保険や医療保険は、保障内容が重複していても支払い条件を満たしていればそれぞれの保険から保障を受けられます。しかし、重複していることによって月々支払う保険費は高くなり、必要以上の保障を受ける意味もあまりないため、重複している部分は解約するなどして対応すると良いでしょう。

自動車保険や火災保険といった損害保険関係は特に重複が起こりやすいといわれています。基本的には、それぞれ1種類の保険に加入していれば問題はないため、重複しないように気を付けましょう。

なお、重複しているケースとしてよくあるのが、個人的に加入している保険と会社で加入している保険で保障内容が重複してしまっている場合です。気付きづらいかもしれませんが、気付いたら個人で加入している保険の内容を見直すなどして対応することをおすすめします。

 

別の保険会社を検討する

保険会社によっては、現在加入している保険と同様の保障内容でも保険費が安価である場合があります。保険費が家計を圧迫していると感じた場合は、他の保険会社と比較して保険費を安くできないか調べてみましょう。

 

複数の保険会社を比較検討する方法としては。3種類の方法が挙げられます。

1つ目は、インターネットの複数見積もりサービスを利用する方法です。自分で判断する必要はあるものの、営業をうけなくて済むため、自分のペースで検討を進めたい場合に適しています。

2つ目は、それぞれの保険会社に所属しているプランナーに相談する方法です。時間と手間はかかりますが、保険の内容について詳細に教えてくれるため、その点に魅力を感じる方にはおすすめの方法といえます。

3つ目は、複数の保険会社を取り扱っている保険代理店で相談する方法です。プロに相談できる安心感だけでなく、1つの窓口で複数社の比較検討ができるため、保険内容を詳細に知りたい方、あまり時間と手間をかけたくない方には最適といえます。

このようにして、今の保険会社よりもお得な保険会社に乗り換えることで保険費の節約につながります。

 

保険を見直す最適なタイミングとは?

家の前に立つ夫婦


ここでは、保険を見直すタイミングとして最適な時期を紹介します。保険を見直す最適なタイミングは、大きく分けて4つです。

 

1つ目のタイミングとしては、先述した「ライフステージの変化」が挙げられるでしょう。

結婚や出産、子どもの独り立ちやマイホームの購入、定年退職といった場面ごとに必要となる保険、不要な保険は変わります。そのため、都度見直しが必要になるといえます。

 

2つ目のタイミングは、「家計に大きな変化があった時」です。

転職や昇進で大幅に収入が増加することもあれば、家計の主軸である方が働けなくなって収入が減少、あるいはなくなることも考えられます。このような際には、以前と同等の保険を継続せず、その時の家計状況に合わせた保険に見直す必要があるでしょう。

 

3つ目のタイミングは、「保険が満期を迎えた時」です。

満期を迎えたタイミングで、保険を更新するか他の保険に乗り換えるか、家計状況や年齢、保険費などを総合して考えた上で決める必要があります。

 

4つ目のタイミングは、「法改正・経済市場の影響を受けた時」です。

法改正により保険費の負担額が変わる可能性はあるため、保険の内容と保険費を照らし合わせて見直す必要があるかもしれません。また、経済市場に変化が生じれば、金融商品である保険にも影響があります。保険費の値上がりや保険金の値下がりも考えられるため、このような際にはできる限り自身にとってお得な保険に乗り換えるなどの対策が必要になるでしょう。

 

保険費を見直すときに注意すべきポイント

電卓を指さす女性


最後に、保険費の見直しを行う際に注意しておくべきポイントを2点紹介します。節約だけに目を向けていると損をする恐れがあるため、確実に把握しておきましょう。

 

貯蓄型保険などは途中解約に注意!

終身保険や養老保険、個人年金保険などの貯蓄性が高い保険のことを貯蓄型保険と呼びますが、このような保険は途中解約で「解約返戻金」を、満期で「満期保険金」を受け取ることが可能です。保険を見直す場合、貯蓄型保険に該当する保険を途中解約し、解約返戻金を受け取り利益を出しつつ、別の保険に乗り換えて節約につなげる、というやり方があるでしょう。

しかし、ここで注意しておきたいのが、途中解約の時期によっては解約返戻金の額が少なくなってしまう点です。既に支払い済みの保険費総額に比べて、解約返戻金は少ない恐れがあり、しかも途中解約の時期が早ければ早いほどその額は少なくなってしまうのです。

そのため、途中解約をした場合どれくらいの解約返戻金を受け取ることができるのか、確実に把握しておきましょう。

 

また、途中解約における注意点は単に解約返戻金の額だけではありません。解約返戻金が一時所得の特別控除額である50万円を超える場合や、解約返戻金と合わせたその他の一時所得との合計額が50万円を超える場合は、所得税・住民税の課税対象となります。利益を得るためと思って解約したにもかかわらず、課税対象となってしまっては損をしてしまう恐れがあるため、この点にも注意しておきましょう。

なお、途中解約後に同じような保障内容・保険費の保険に入り直そうとしても、年齢と健康状態によっては同条件の保険に加入できない恐れがあります。保険に再加入する意思がある場合は、途中解約を進める前に自身の年齢と健康状態で入れる保険はどのようなものがあるのか、事前確認が必要です。

 

削減するメリットとリスクのバランス

保険費を見直し、削減することができれば節約につながり、家計を圧迫していた要因を排除できます。家計状況を改善することのみが主たる目的であれば、保険費の削減=保険の見直しは十分にメリットがあるといえるでしょう。

しかし、保険はいざという時のために契約しているものです。保障内容が現在の、そして将来的な世帯状況にとって必要と思われる場合は、節約のためだけに削減や解約に踏み切るのは早計かもしれません。

 

節約のために保険費を削減・解約などした失敗例として、以下のような事例があります。

固定費としての保険費を節約するため医療保険に加入せず、共働きで貯めた資金でマイホームを購入し、住宅ローンを支払い続けている夫婦の例です。夫婦ともに働いて収入面で問題はないため、住宅ローンは問題なく支払えていたのですが、新居に引っ越して1年ほどで夫が体調を崩し、長期入院をすることになってしまいました。前述の通り、このご夫婦は医療保険に加入していなかったため、保険給付金が得られず、妻は夫の看病に時間を割くために仕事の時間を減らし、結果として収入は大幅に減退、住宅ローンが支払えなくなったのです。

保険費を節約することは家計にとってメリットになる面はもちろんありますが、保障内容が世帯にとって必要なものなのであれば、簡単に手放したり、加入しないままにしたりすることは避けた方が良いでしょう。最悪の場合、生活保護の受給や自己破産につながることも考えられます。大切なのは、保険費を節約するメリットと、節約した際に発生するリスクのバランスを確実に把握することなのです。

参考:保険市場

 

まとめ

家計の固定費のうち、保険費は正しく見直すことができれば節約につながり、家計を楽にできます。

しかし、世帯にとって不要な保障内容であればともかく、必要な保障まで手放してしまうと万が一の事態が起きた際に対応できなくなってしまいます。

保険を見直すべきタイミングと見直す際の注意点をしっかりと把握し、正しいやり方で節約につなげましょう。

 

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【値上げラッシュに打ち勝つ!節約コラム】

第1回:無理のない節約は「固定費の見直し」がおすすめ!

第2回:水道光熱費の節約に効くおすすめ行動&NG行動とは?

第3回:通信費は月いくら?削減に効く方法とは

第4回:食費や日用品費の節約で知っておくべきコツとは?

第5回:保険費は削減できる!?節約のコツ&注意点を詳しく解説

第6回:娯楽費・被服費を節約するコツとは?よくあるNG行動も紹介

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