スマートフォンを使って、その場で注文をする「モバイルオーダー」のシステムを導入する店舗が増えています。モバイルオーダーを一度体験してみれば、その便利さに気が付くことでしょう。しかし、モバイルオーダーを使ったことがない人にとっては、どうやって注文すれば良いのか、支払いはどうするのかなど、分からないことが多いかもしれません。
そこで今回は、モバイルオーダーの仕組みやメリットについて分かりやすくご説明します。
- スマートフォンでラクラク注文!「モバイルオーダー」とは?
- よくあるモバイルオーダーの仕組み
- モバイルオーダーを使うメリットとは?
- モバイルオーダーの利用者はどのくらい?
- モバイルオーダーに対応している店舗の例と使い方を解説
- まとめ
スマートフォンでラクラク注文!「モバイルオーダー」とは?
モバイルオーダーとは、利用者が自分のスマートフォンを使って注文を行うシステムのことです。日本では、新型コロナウイルスが流行した時期、モバイルオーダーが急速に普及しました。コロナ禍では、極力店員との接触を避けたい、不特定多数の人が触れるものへの接触も避けたいというニーズが高まりました。自分のスマートフォンで注文を完結できるモバイルオーダーは、接触機会を減らすというニーズに合致していたのです。
セルフオーダーやテーブルオーダーとの違いは?
モバイルオーダーと似たような言葉に「セルフオーダー」や「テーブルオーダー」という言葉があります。
まず、セルフオーダーとは、お客さんが自分でメニューを注文するシステムです。一方、テーブルオーダーとは、お店のテーブルに設置してあるタブレットなどを使い、メニューを選んで注文する方法を指します。
モバイルオーダーもお客さんがスマートフォンからメニューの注文をするシステムです。そのため、テーブルオーダーとモバイルオーダーをセルフオーダーとして捉えるケースもありますが、テーブルオーダーだけを指してセルフオーダーと表現する場合もあります。
従来の注文方法は、店員がお客さんのいるテーブルを訪れて注文を取り、キッチンにオーダー内容を伝えるというものでした。しかし、テーブルオーダーやモバイルオーダーなどのセルフオーダーの導入に伴い、ホールスタッフを介さず直接キッチンにオーダーを入れられるようになりました。
よくあるモバイルオーダーの仕組み
モバイルオーダーにはいくつかの仕組みがありますが、よく利用されているオーダーの方法を店内で飲食する場合とテイクアウトで利用する場合に分けてご説明しましょう。
店内飲食で利用する場合
店内飲食でのモバイルオーダーには、QRコードを利用する場合とアプリを利用する場合があります。QRコードから注文をする場合は、テーブルにあるQRコードをスマートフォンで読み取り、画面に表示されるメニューから欲しいものを選んで注文します。
一方、アプリを使って注文する場合は、お店のアプリをスマートフォンにダウンロードし、アプリ内にあるメニューを見ながら、欲しいものを選んで注文する流れです。スマートフォンからオーダーした内容は直接キッチンに届けられ、キッチンで調理が開始されます。
ファストフード店などでは、モバイルオーダーの注文品が完成したら、カウンターまでお客さん自身が商品を取りに行くスタイルを取っていることがほとんどです。また、一部のファミリーレストランや居酒屋などでは、店舗スタッフや配膳ロボットがオーダーした料理をテーブルまで運んでくれます。
追加で注文がある場合も、再度QRコードを読み取るかアプリを開いて同様の手順で注文を行いますが、お会計の方法は店舗によってさまざまです。オーダー時にクレジットカードやモバイル決済などを利用して代金を先払いするスタイルのところもあれば、食事を済ませた後に合計代金を支払う方法を取っているところもあります。
テイクアウトで利用する場合
テイクアウトの場合もモバイルオーダーが利用できます。
テイクアウトでもお店のアプリを利用しますが、アプリがない場合には、モバイルオーダー用のウェブサイトにアクセスします。アプリやサイトの仕様によって、多少操作方法は変わってきますが、一般的には商品を受け取る店舗と受け取り希望時間を選択し、メニューから商品を選んで注文し支払うという流れは同じです。
店舗ではオーダーが入ると受け取りの時間に合わせて調理を始めます。時間通りに店舗を訪れれば、完成した料理をスムーズに受け取ることができるでしょう。
モバイルオーダーを使うメリットとは?
モバイルオーダーは、来店客にオーダーを取る手間が不要となるため人材不足を補えるなど、お店側に大きなメリットをもたらします。そのため、モバイルオーダーを導入しているお店が増えているわけですが、利用者にもモバイルオーダーの利用メリットはあります。
モバイルオーダーを使うことで生じる利用者側の主なメリットを紹介しましょう。
待ち時間を減らすことができる
テイクアウトでモバイルオーダーを利用すれば、指定した時間にお店に行くだけで、スムーズに商品を受け取れます。注文のための待ち時間も商品が出来上がるまでの待ち時間も発生しないため、時間を有効活用できるでしょう。
特に、混雑する時間帯にテイクアウトを利用したい場合などには、モバイルオーダーの利用は非常に便利です。
ゆっくりメニューを見ることができる
通常、ファストフード店などではカウンターで注文をします。店員にじっと見つめられ、混雑時には後ろで待っている人もいることで、じっくりとメニューを見て選べないと不満を感じている人もいるのではないでしょうか。
一方、モバイルオーダーでは自分のスマートフォンでメニューを確認できるため、焦ることなくじっくりとメニューを見て商品を選べます。
キャッシュレス決済が利用できる
モバイルオーダーでは、キャッシュレス決済で支払えるケースがほとんどです。オーダー時に支払いを済ませているため、オーダー完了後にお財布を準備する必要もなく、スムーズに商品を受け取れます。
一部店舗ではモバイルオーダーだけのクーポンやポイントサービスも
モバイルオーダーを利用すると、店側はオーダーを取る手間や会計の手間が省けます。そのため、モバイルオーダーの利用を促進するためにモバイルオーダー利用者だけが利用できるクーポンやポイントサービスを用意しているところもあります。クーポンやポイントサービスを上手に利用すれば、従来の注文方法に比べてお得に食事を楽しめる点もモバイルオーダーの魅力だと言えるでしょう。
モバイルオーダーの利用者はどのくらい?
モバイルオーダーを利用できる店舗も増えており、モバイルオーダーの利用者も増加していると実感している方もいるでしょう。では、実際どのくらいの人がモバイルオーダーを利用した経験をもつのでしょうか。
株式会社リクルートの外食市場の調査・研究機関である「ホットペッパーグルメ外食総研」では、2024年5月に外食店を利用する際の注文ツールに関する利用調査を行っています。調査対象は20代から60代までの男女10,000人で、有効回答件数は8,230件です。
参照元:株式会社リクルート「外食店利用時の注文ツール利用実態・意向調査(2024年5月実施)」
約6割が店内飲食でのモバイルオーダーの利用経験あり
この調査によると、店内飲食でアプリやQRコードを利用してモバイルオーダーを利用した経験をもつ人の割合は57.1%でした。特に、若い世代ほど利用率は高く、20代の女性は80.9%もの人が店内飲食でモバイルオーダーを利用しています。
2021年の調査では、店内飲食でのモバイルオーダーの利用経験率が26.0%であったことと比較すると、この3年の間に、モバイルオーダーの利用経験者が2倍以上に増加したことが分かります。
テイクアウトでのモバイルオーダー利用経験率も約50%
テイクアウトでモバイルオーダーを利用した人の割合は48.8%となっています。テイクアウトのモバイルオーダーも若年層の利用率が高く、最も高い利用率は20代女性の71.8%でした。高齢になるほど利用経験率は低下するものの、男女とも20代〜40代においては半数以上の人がテイクアウト時にモバイルオーダーを利用した経験をもつことが分かりました。
モバイルオーダーに対応している店舗の例と使い方を解説
急速に普及しているモバイルオーダーですが、実際にモバイルオーダーに対応しているお店を例に、注文方法やモバイルオーダー利用の特典などを紹介しましょう。
マクドナルド
言わずと知れた世界的なファストフードチェーン店であるマクドナルドでは、モバイルオーダーが利用可能です。
マクドナルドでは、スマートフォンで公式サイトまたは公式アプリから、モバイルオーダーができます。「今すぐ注文」ボタンを押すと、表示される画面から受け取りの店舗を指定すると、メニュー画面に移ります。注文したいメニューをカートに追加し「レジに進む」を押すと、テイクアウトをするか、店内で食事をするか、商品の受け取り方法を選択する画面になるので、希望のものを選択しましょう。次に支払方法を選択し、決済をすると注文が完了します。テイクアウト時には、店舗に到着したら「受け取りに進む」のボタンを押すと、指定の方法ででき立ての商品を受け取ることができます。
マクドナルドのモバイルオーダーは、ウェブサイトとアプリの両方から利用できるため、利用頻度が少なく、アプリのダウンロードに抵抗がある人でも手軽に利用できるでしょう。また、公式アプリには、モバイルオーダー限定のお得なクーポンや特定のモバイル決済の利用でポイントが付与されるキャンペーンなども用意されています。
松屋
牛めしやカレー、定食などをリーズナブルな価格で楽しめる松屋でも、モバイルオーダーを利用できます。松屋のモバイルオーダーには、松屋を運営する松屋フーズの公式アプリのダウンロードが必要です。ダウンロード後、会員登録をし、「注文する」のアイコンを押すとオーダー画面が表示されます。
松屋のアプリでは、事前にスマートフォンから注文してテイクアウトする方法を「松弁ネット」、店舗に到着してから店内飲食またはテイクアウトをする方法を「松屋モバイルオーダー」として区別しています。
事前注文によるテイクアウトを希望する場合は松弁ネットを選択し、利用する店舗を指定しましょう。次に利用日時を選択し、メニュー選択画面に進みます。牛めしなどは、大きさやライス・つゆの量を選択でき、なんと盛りつけ方の指定も可能です。注文内容を確認したら支払方法を選び、注文が確定します。
また、店舗に到着してからモバイルオーダーをする場合も、松やモバイルオーダーから利用店舗とメニュー、支払方法を選び注文を決定しましょう。
松屋では、注文方法や注文額に応じてポイントが付与されます。ポイントは1ポイント1円として、10ポイント単位から松弁ネットや松屋モバイルオーダーの注文時に利用が可能です。また、公式アプリにはお得なクーポンも用意されています。
かっぱ寿司
大手回転ずしチェーンのかっぱ寿司でもモバイルオーダーを導入しています。かっぱ寿司では店内のタブレットから注文も可能ですが、表示されるQRコードを読み取り、スマートフォンから注文することも可能です。
モバイルオーダーを利用する場合は、最初に表示される画面からキャラクターを選択し、メニューの中から商品を選んで注文を確定します。この方法では、スマートフォンから注文はできるものの、決済はできません。そのため食事を終えた後は、テーブルに設置されているタブレットから店員を呼ぶ必要があります。
また、公式アプリを使用するとテイクアウトのモバイルオーダーが可能です。受取店舗を選び、注文の品を選んだ後にカートへ進み、受け取りの日時を選択しましょう。注文の内容を確認した後、決済方法を選ぶと注文が完了します。
公式アプリでは、テイクアウト専用クーポンもあり、クーポンコードを利用するとお得に注文ができます。
まとめ
自分のスマートフォンからオーダーをする方法をモバイルオーダーと言います。モバイルオーダーはコロナ禍を経て急速に普及しており、現在では約半数の人がモバイルオーダーの利用経験があるという調査結果も公表されています。
モバイルオーダーを利用すると自分のスマートフォンでメニューを見られるため、焦らずにじっくりとメニューを選ぶことができ、テイクアウト時には待ち時間を減らせるなど、メリットも豊富です。
昨今では、モバイルオーダーに対応している店舗も増えており、モバイルオーダー利用者だけでのお得なクーポンなども発行されています。ぜひモバイルオーダーを使って、食事を注文してみてくださいね!
※本記事の情報は2024年9月19日時点のデータに基づくものです。