国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の世帯数の将来推計(全国推計)(令和 6(2024)年推計)」によると、2050年には世帯主が65歳以上の一人暮らしが1,084万世帯になると予測しています。そこで問題となるのが高齢者の犯罪被害です。
高齢者を狙った犯罪は以前に比べ減少傾向にあるものの、特殊詐欺被害に遭う高齢者の割合は相変わらず高くなっています。警視庁が発表した「特殊詐欺認知・検挙状況等について(令和5年)」によると、高齢者の認知件数は法人被害を除き78.4%です。
本記事では、家族と離れて暮らす高齢者(シニア)が安心して暮らすための手段の1つ、見守りサービス・アプリを紹介します。価格や機能など徹底比較していますので、ぜひ参考にしてください。
参考:日本の世帯数の将来推計(全国推計)(令和 6(2024)年推計) |国立社会保障・人口問題研究所(PDFファイル)
令和5年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(確定値版)|警察庁(PDFファイル)
- 高齢者の見守りサービス・防犯グッズの種類とは?
- 【無料】はじめての見守りにもおすすめのサービス・アプリ
- 【~2,000円/月】手軽に導入できる見守りサービス
- 【~10,000円/月】しっかり見守るサービス
- 高齢者向けのスマホを持ってもらうのもおすすめ
- まとめ
高齢者の見守りサービス・防犯グッズの種類とは?
現在、高齢者の見守りサービス・防犯グッズはさまざまなバリエーションがあり、目的や用途によって使い分けが可能です。ここでは主に見守りサービスと家電の種類について紹介します。
主な見守りサービス
高齢の方を見守るために役立つ主なサービスは次のとおりです。
・センサー・カメラサービス
センサー・カメラサービスは家の外や中にセンサーやカメラを設置し、専門のセキュリティ会社に監視を依頼するものです。
サービスによっては、24時間監視体制を敷き、何か問題があればすぐに駆けつけてくれるものもあります。
ただし、センサー・カメラを設置したうえで駆けつけサービスを追加すると、初期費用が10万円を超えてしまうケースも珍しくありません。
また、常に監視されることを嫌がる方も少なくないため、予算はもちろん高齢の方と相談の上で、サービス内容を検討する必要があります。
・宅食サービス
宅食サービス自体は見守りサービスではないものの、毎日、訪問することで結果的に安否確認が可能です。
犯罪被害の心配解消につながる上、毎日食事を届けてもらうことで健康面での安心も得られます。
・デイサービス・訪問介護サービス
デイサービスや訪問介護サービスは、介護保険が適用されれば、サービスや利用頻度によるものの、1回数百円で利用できるサービスです。
日帰りで施設に行き食事や入浴をしたり、ホームヘルパーが自宅に訪問し食事や入浴の支援をしたりするサービスのため、さまざまな面で安心して任せられます。
・ボランティア
厚生労働大臣から委託された民生委員や地域のボランティアに見守りを依頼する方法で、高齢の方が住む自治体に問い合わせ、サービス提供をしていれば依頼可能です。
常に訪問してくれるわけではないものの、声掛けしたり、話し相手になってくれたりするため、自分は頻繁に訪問できないものの、気にかけてくれる人が欲しい場合におすすめします。
主な見守り家電
見守り家電にはセンサーが搭載されていて、長期間使われていない、異常な動作があった際などに通知が届きます。
介護が必要なほどではないものの、何かあった際にはすぐに対応したいといった方に便利なものです。ここでは、センサーが搭載されている主な見守り家電の種類を紹介します。
なお、見守り家電の料金体系は、通知をするのに月額料金がかかるタイプと無料タイプの2種類です。家電の種類にもよりますが、月額料金がかかるタイプは数百円から高くても2〜3,000円程度となっています。
・電球
寝室やリビングに設置し、電気のオンオフで安否を確認するものです。寝室で何日も電気がついていない、リビングの電気がずっとついたままなどがあればすぐに通知がきます。
また、寝室の電気がついているのにリビングの電気がついている、深夜にもかかわらず寝室の電気がついたなど、通常とは異なる不審な動きがあった場合に通知される設定にすることも可能です。これにより、犯罪被害に遭うリスク低減の可能性も高まります。
・冷蔵庫
冷蔵庫のドアにセンサーが設置されていて、開閉時間や回数を通知するものです。急に開閉回数が減った、普段使わない時間に開閉があるなどの際に通知されます。安否確認と同時にしっかりと食事を取っているかどうかも分かります。
元から冷蔵庫にセンサーがついているタイプと、後からセンサーをつけるタイプがあり、通知のタイミングも自由に設定可能です。
・湯沸かしポット
頻繁にポットでお湯を沸かす方であれば、センサーが設置された湯沸かしポットを使うのも良いでしょう。決まった時間に使う方は、その時間を設定しておけば、使われなかった場合にすぐ通知されるようにもできます。
・テレビ
テレビを頻繁に視聴する方であれば、テレビにセンサーを設置したタイプもおすすめです。単純に電源のオンオフ以外にも、電源のオンオフをクラウド管理し、生活パターンを記憶することで、異常な動きがあった際に通知を受けられるタイプもあります。
【無料】はじめての見守りにもおすすめのサービス・アプリ
ここまでは見守りを主としたサービスや家電製品について紹介してきました。しかし、見守りサービスは他にもさまざまなタイプがあります。
その中でもおすすめなのがアプリを使ったサービスです。また、他のサービスの付属として安否確認を行うサービスもあわせて紹介します。
まずは無料で利用できるサービス、アプリを見てみましょう。
みまもりLite
みまもりliteは、Android専用の無料見守りアプリです。設置する家にWi-Fiがあれば、すでに使わなくなったスマートフォンやタブレットを、見守り専用デバイスとして利用できます。
主な機能は、内蔵カメラによる動体感知、在宅/外出ボタンでのメール送信、ワンタッチ伝言や緊急ボタンなど、無料ながら見守りに欠かせない多様な機能を搭載しています。
みまもりサービス
みまもりサービスは、スマートフォンの利用履歴から家族の安否を確認できるサービスです。無料で使える「シンプルプラン」であれば、行動履歴を過去24時間分まで確認できるようになっています。iOS、Androidどちらでも利用可能です。
また、月額料金のかかる基本プランでは、一定時間利用履歴がないと見守られている方に自動で電話がかかる上、相手が電話に出ないとアプリとメールで通知されます。
つなまも
「つなまも」は、高齢の方の利用履歴をモニタリングし、一定期間利用がないと家族に確認依頼通知を発信するサービスです。
また、見守り機能だけではなく、高齢の方がブログ感覚で、テキストで資産情報や写真を記録しておけるデジタルエンディングノート機能も用意されています。
使わなくなったスマホをネットワークカメラとして使う方法も
使わなくなったスマートフォンは、設置する家にWi-Fi環境がある場合は防犯カメラとして使うのもおすすめです。例えば「家庭用防犯カメラZoomOn」や「ネットワークカメラ」などのアプリで実現できます。
なお、使わなくなった古いスマートフォンは次のような使い方もできます。詳しくは「使わなくなった古いスマホを有効活用!便利な使い道15選」をご覧ください。
【~2,000円/月】手軽に導入できる見守りサービス
続いて、月額2,000円以内で手軽に導入可能な見守りサービスを3つ紹介します。
みまもり電池
みまもり電池は、寝室の照明やセンサーライト、トイレ、テレビやエアコンのリモコンに設置することで、その電化製品を使ったことを家族に伝えるIoTデバイスです。
電池のため、さまざまな家電製品に使えるのがメリットで、高齢の方がよく使う家電製品に使えば、簡単に見守ることができるようになります。
本体価格は3,278円(税込)、月額料金1,078円(税込)で利用可能です。
見まもっTEL
見まもっTELは、固定電話・携帯電話・スマートフォンで利用できる、電話による見守りサービスです。定期的に電話での安否確認が自動で行われ、受け取った方がガイダンスに沿ってボタンを押すだけで安否確認が行えます。
一人暮らしをしている高齢者の家族はもちろん、アパート経営者が高齢の方にも安心して入居してもらえるサービスです。サービス利用料は初回登録料11,000円(税込)で、月額利用料は1,650円(税込)となっています。
クロネコ見守りサービスハローライト訪問プラン
クロネコ見守りサービスハローライト訪問プランは、宅配業者のヤマト運輸が行っている見守りサービスです。
センサーが設置されたハローライト電球の電源入り切りを記録し、異常があれば家族にメール通知でされます。
また、家族が離れている場合、依頼によりヤマト運輸のスタッフが代理で訪問して安否確認も行えます。初期費用は0円で、月額料金は1,078円(税込)となっています。
【~10,000円/月】しっかり見守るサービス
最後に月額2,000円以上、10,000円以内の見守りサービスを紹介します。
みまもりCUBE
みまもりCUBEは、Wi-Fi環境がなくてもライブ映像で高齢の方を見守れるサービスです。カメラには会話機能も搭載されているため、見守るだけではなく、簡易的な双方向会話もできます。
また、オプションでドアの出入りやベッドからの離床など、動きがあったことをメールで通知したり、呼び出しボタンを追加で設置したりすることも可能です。通常は1年プランで月額5,940円(税込)、短期プランで月額7,920円(税込)ですが、30日間お試しキャンペーンなら3,190円(税込)で利用できます。
BOCCO emo LTEレンタルモデル
BOCCO emo LTEレンタルモデルは、ロボット型の見守りサービスです。ロボットに音声を録音して家族に送ったり、家族がスマートフォンからロボットにメッセージを送ったりできます。
また、ロボットに予定を録音しリマインドとして使う、ロボットと会話を楽しむといったことも可能です。そのほか、付属の振動センサーをドアや冷蔵庫に設置することで、高齢者の生活を見守ることもできます。
LTEレンタルモデルはWi-Fiを使わないタイプで、申込み初月は無料、月額料金2,970円(税込)です。
みまもりほっとライン
みまもりほっとラインは、象印マホービン株式会社による「通信機能」を持った電気ポットにより高齢の方を見守るサービスです。
高齢の方がポットを使った情報が蓄積され、家族の方へ定期的に利用履歴が送られます。また、利用履歴はメールでリクエストすればいつでも閲覧できるため、気になったときにすぐ安否確認も可能です。
初期費用はポット1台につき5,500円(税込)、月額料金は初月無料でその後は3,300円(税込)となっています。
郵便局のみまもりサービス
郵便局のみまもりサービスは、高齢の方が住む地域の郵便局員が訪問して会話をし、写真とともに家族へ送ってくれるサービスです。
センサーによる安否確認ではなく、直接会いに行って会話をすることで、顔色の良し悪しや自宅付近の様子も分かるため、健康確認と同時に防犯対策にもなります。
訪問は月1回で月額2,500円(税込)です。このサービスには、訪問だけではなく、みまもり保険も含まれています。
高齢者向けのスマホを持ってもらうのもおすすめ
ここまでさまざまなサービスやアプリを紹介してきました。しかし、より密接なコミュニケーションを実現させるのであれば、スマートフォンの活用もおすすめです。
スマートフォンであれば、直接会話ができるのはもちろん、テレビ電話もできるため、定期的に連絡を取ることでより細やかな見守りも実現します。
LIBMOで販売中のシニアおすすめスマホを紹介!
スマートフォンを使うことで、より細やかな見守りが可能になるものの、高齢者の中にはスマートフォンが苦手といった方も少なくありません。そこでここでは格安SIMサービス「LIBMO(リブモ)」が販売している、高齢の方でも安心して利用できるスマートフォンを3つ紹介します。
・らくらくスマートフォン Lite
使いたい機能が一目でわかる標準ホーム画面、一般的なスマートフォンのように好きなアプリを並べられるシンプルホーム画面の2パターンを搭載。文字の見やすさの調整や拡大などもできるので、自分の好きなように画面をカスタマイズできます。「Super ATOK ULTIAS for らくらく」でスマホの文字入力もラクラクです。
また、趣味の話題やイベントを通じて同世代のユーザーと気軽にあんしんして交流できる専用サイト「らくらくコミュニティ」や、スマートフォンの使い方をサポートするサービスLameber’sなどを使えば、趣味の楽しみがもっと広がります。
・AQUOS wish4
AQUOS wish4は「ジュニアモード」や「かんたんモード」が搭載されているため、高齢の方でも安心して使えるスマートフォンです。
シニアにも快適な6.6インチ大画面や迷惑電話防止機能など、安心に使える機能が満載です。ご家族とのコミュニケーションに最適なスマートフォンといえます。
・iPhoneSE
LIBMOが扱うiPhoneSEは、第二世代でiPhone11Proと同じプロセッサーを搭載したスマートフォンです。
画面サイズはwish3よりさらに小さい4.7インチ、重量も約148gのため、高齢の方でも片手で操作できるコンパクトサイズになっています。
まとめ
少子高齢化が進む日本において、今後、一人暮らしの高齢者はさらに増加すると予測されています。家族と歩いて行き来できる距離であれば問題ないものの、簡単に行き来できないほど離れている場合、常に何かあったかどうかを心配することになってしまうでしょう。
今回紹介した見守りサービスやアプリ、家電は一人暮らしの高齢の方と気軽にコミュニケーションを取れるものとして、すでに多くの方が利用しています。無料のものから有料のものまで、目的や用途に合わせて活用すれば、離れていても安心して暮らすために高い効果を発揮するでしょう。
また、より気軽にコミュニケーションを取りたい場合におすすめなのが、スマートフォンです。前述したAQUOS wish4、iPhoneSEはどちらも操作が容易なため、高齢の方でも簡単に使え、楽しいコミュニケーションが実現します。
離れて暮らすご両親とのコミュニケーションを増やし、犯罪被害に遭うリスク低減、健康面の不安払拭を検討されている方はぜひ、参考にしてください。
※本記事の情報は2024年12月19日時点のデータに基づくものです。