「1台のスマートフォンには1つの電話番号」というスタイルが常識だと思い込んでいる方は多いでしょう。事実、スマートフォンに差し込むSIMカードが1枚だけの場合、使用できる電話番号は一つだけのため、誤った認識ではありません。
しかし、1台のスマートフォンで二つの電話番号が使用できる「デュアルSIM」という便利な機能があることをご存知でしょうか?これさえあれば、仕事用とプライベート用などで2台のスマートフォンを持ち歩く必要がなくなるなど、便利なシーンがたくさんあります。
この記事では、1台のスマートフォンで2つの電話番号を使い分けたい方向けに、デュアルSIMのメリットや組み合わせ方、対応のスマートフォンについて解説します。
- デュアルSIMとは?
- デュアルSIMの種類
- デュアルSIMの主要メリット
- デュアルSIMの組み合わせを工夫すればもっと便利に
- デュアルSIMが使えるスマホは?
- SDカードスロットを使用するタイプもあるので要注意
- デュアルSIMの利用時におすすめな格安SIM「LIBMO」
- まとめ
デュアルSIMとは?
契約者や通信事業者の情報が記録されている「SIMカード」。多くの方は1つの契約だけを行い、スマホに1枚のSIMカードを刺して使っているでしょう。
今回ご紹介する「デュアルSIM」は、このSIMカードを2枚スマートフォンに刺すことで、二つの電話番号が使用できるようになる機能です。
2種類の電話番号を持つ必要性に疑問を持たれる方がいるかもしれませんが、社用とプライベート用、国内用と海外用などさまざまな用途があります。
ただし現状、デュアルSIMを使用している層は多いのかというと、必ずしもそうではありません。ここでは、「株式会社IoTコンサルティングによる2023年3月1日から3月5日に行われた調査」と「MMD研究所によって2023年3月14日に発表された調査」それぞれの結果を引用して紹介します。
まずは前者の調査結果から見てみましょう。この調査は、20代以下と60代以上の男女合わせて178人を対象に実施されました。結果としては、デュアルSIMを「今後利用する予定」が72名で40.4%、「利用している」が68名で38.2%、「利用するつもりはない」が38名で21.3%となっています。全体的に、デュアルSIMへの興味関心は高い傾向ですが、実際に利用している層はそこまで多くはないようです。
次に、後者の調査結果を見てみると、10代から60代までの36,563人を調査対象としたデュアルSIMの認知度は37.6%、利用経験がある層は6%、現在利用している層はわずか3.7%にとどまっています。
双方の調査結果を照らし合わせてみると、デュアルSIMの認知度自体はそれなりにあるものの、実際にデュアルSIMを利用している、または利用したことがある層は少ないといえるでしょう。
デュアルSIMの種類
デュアルSIMには、以下の4種類が存在します。
|
通話の同時待ち受け |
回線機能の利用 |
SIM切替方法 |
通話中データ通信 |
DSSS |
× |
片方のSIMで利用可能 |
手動 |
× |
DSDS |
○ |
両方のSIMで利用可能 |
自動 |
× |
DSDV |
○ |
両方のSIMで利用可能 |
自動 |
× |
DSDA |
○ |
両方のSIMで利用可能 |
自動 |
○ |
DSSSとは、「デュアルSIMシングルスタンバイ」の略称です。利用可能になっているSIMのみで通話とデータ通信ができ、別のSIMに切り替える際には手動での操作が必要になります。
DSDSは「デュアルSIMデュアルスタンバイ」の略称です。SIMの切替に手動操作は必要なく、通話やデータ通信は両方のSIMで行えます。しかし、片方のSIMで通話中はデータ通信機能が利用できなくなる点と、片方のSIMについては3G回線での利用になる点に注意が必要です。
DSDVは、「デュアルSIMデュアルVoLTE」の略称です。おおむねDSDSと機能は同じですが、双方のSIMで4G回線が利用できる点が異なります。
DSDAは、「デュアルSIMデュアルアクティブ」の略称です。デュアルSIMの中では最も高機能といえます。なぜなら、DSDVの機能に加えて、通話中でも片方のSIMでデータ通信機能が利用できるからです。例えば、片方のSIMで通話を行っている最中に、もう片方のSIMを利用して大容量の動画視聴やデータのダウンロードができるなどのメリットがあります。
デュアルSIMを快適に利用したいのであれば、DSDS以降の機能を有したデュアルSIMを利用すると良いでしょう。
なお、関連してeSIMというSIMも存在しますが、これについては別項にて解説します。
デュアルSIMの主要メリット
続いて、デュアルSIMのメリットを見ていきましょう。デュアルSIMには、大きく分けて2つのメリットが存在します。
複数の電話番号を使い分けられる
デュアルSIMの最大の特徴として、先にも述べている通り「2つの電話番号を使い分けられる」点が挙げられます。この特徴が真価を発揮する代表的な例としては、社用とプライベート用の電話番号を1台のスマートフォンに集約できることでしょう。
会社から支給された社用の携帯電話とプライベート用の携帯電話、それぞれを持ち歩くのは単純に荷物がかさばり、電話がかかってきてもどちらの携帯電話からなのか探す手間がかかってしまいます。この悩みをスマートに解決できるという点で、デュアルSIMの利用にはメリットがあるといえます。
障害がおきたときの予備回線として使える
大手キャリアにおける大規模な通信障害によって、一時的にスマートフォンが使えなくなり困った、という経験をされた方は少なからずいるのではないでしょうか。
このような通信障害が発生したとき、デュアルSIMで別キャリアのSIMカードを使える状態にしておけば、通話およびデータ通信が可能です。
また、災害時などで通信が混雑している場合でも、デュアルSIMなら2つの回線のうち繋がりやすい方を選ぶことができるため、いざという時の安心材料になるという点で大きなメリットがあります。
なお、大手キャリアのソフトバンクでは、2023年4月12日より「副回線サービス」という通信サービスを提供しています。このサービスは、ソフトバンクが提供する通信サービスが利用できなくなった際に、「au回線をソフトバンクの通信サービスとして提供する」ものです。大手キャリアがこのような予備回線サービスを提供することは、ユーザーとしては大きな安心につながります。
参考:“ソフトバンク”、au回線が利用可能な「副回線サービス」を4月12日に提供開始~デュアルSIMによりau回線を副回線として利用可能に~ | 企業・IR | ソフトバンク
デュアルSIMの組み合わせを工夫すればもっと便利に
ここでは、デュアルSIMの組み合わせ方について解説します。「大手キャリア同士で組み合わせる場合」と、「大手キャリアと格安SIMで組み合わせる場合」の2種類があります。
キャリアSIM×キャリアSIMで得られるメリット
大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイル)同士で組み合わせる場合のメリットは、2つの通信エリアが使えることで、場所によって切り替えたり通信障害発生時の予備回線として片方のSIMを利用できるという点にあります。「こんな時、別キャリアの回線が利用できていれば便利なのに」という悩みを解決できるのです。
詳しく見ていきましょう。
二つの通信エリアを利用できる
スマートフォンの通信は、各キャリアが設置している基地局間を経由して行われています。つまり、基地局の多さや設置場所に応じて通信の強弱が変わるのです。場所によってソフトバンクよりもauのスマートフォンの方が電波が入りやすいなどの事象が発生するのはこのためです。
基地局には、広いエリアをカバーできる「鉄塔タイプ」や、小規模なエリアをカバーする「小型基地局」などの種類があります。
総務省が2023年3月に発表した「2022年における各キャリアの基地局数」を確認してみると、大手4キャリアの基地局数総計は以下の通りです。
|
3G |
4G |
5G |
ドコモ |
145,025 |
259,536 |
19,716 |
au |
47,099 |
196,101 |
18,041 |
ソフトバンク |
111,605 |
171,940 |
39,051 |
楽天モバイル |
なし |
44,866 |
11,238 |
引用:令和4年度 携帯電話及び全国BWAに係る 電波の利用状況調査の調査結果の概要について|総務省
この調査結果を見ると、基地局数の多さはドコモが圧倒的ですが、ソフトバンクは5G基地局が多いなどの特徴も伺えます。また、基地局の設置場所もキャリアによって異なるため、あるキャリアでは海や山間部、地下での通信が弱くなる傾向でも、他のキャリアでは快適に通信できる場合があります。
このように、各キャリアによって通信エリアは異なるため、2種類のキャリアSIMを利用することでより広いエリアにおける快適な通信サービスを受けられるのです。
キャリアSIM×格安SIMで得られるメリット
キャリアSIMと格安SIMを併用する場合は、
- ・キャリアの安定した通信と格安SIMのお得なプランを同時に利用できる
- ・キャリアSIMではデータ容量を抑えつつ格安SIMでデータ容量大容量プランを利用する
などのテクニカルな組み合わせ方が可能です。自身の用途に合わせて選んでみましょう。
特徴の異なる2つの契約を同時に利用できる
キャリアSIMと格安SIMをデュアルSIMとして利用する場合は、お得なプランで利用料金を削減したり、片方のSIM契約でデータ容量を大量に使えるようにしたりするなど、異なる2種類の契約を併用できる点がメリットといえるでしょう。
例えば、格安SIMのLIBMOでは、「なっとくプラン」というお得なプランを提供しています。音声通話機能付きの20GBプランの価格は1,991円(税込)と安価で、安定した大手キャリアSIMと併用することで「安定した通信×大容量データ通信の利用」を低価格で利用可能です。
デュアルSIMが使えるスマホは?
デュアルSIMはどのスマートフォンでも使用できるわけではありません。基本的に、SIMカードを2枚差し込んで利用する必要があります。そのため、SIMトレーが二つあるタイプのスマートフォンでなければ利用できません。
最新のスマートフォンはデュアルSIM対応のものが多く存在し、もし対応しているか分からなくても、利用したい機種名で検索すれば簡単に調べることが可能です。
例えば、Apple製品のiPhone SE(第3世代)や、Android端末のXperia10ⅣなどはデュアルSIM対応となっています。
しかし、実はこの2つの機種、SIMトレーは2つではなく1つしかありません。
ではどのように2つのSIMに対応するのでしょうか?ポイントとなるのが「eSIM」です。
eSIMとは?
eSIMは、SIMカードのような「物理SIM」ではない「データ型SIM」です。つまり、SIMカードが果たす機能と同じことを、カードなしでできるものなのです。
これはあらかじめスマホの端末の中に、空っぽのSIMカードが入っているような状態ともいえます。ここにSIMの情報を書き込むことでSIMカードと同じ働きができます。しかもeSIMは情報を消したり、別の情報に書き換えて別の契約に切り替えるといったことも可能です。
eSIMには、SIMカードをSIMトレーに挿入する必要がなく、破損・紛失する恐れもないという物理的なメリットがあります。また、あらかじめ端末内に組み込まれているため、手元に端末が届いたらインターネット経由で手続きを行えばすぐに利用が開始でき、機種変更や乗り換えがスムーズに行えるという利点もあります。
さらに、SIMトレーが一つしかない場合でもeSIM対応機種であれば、「物理SIM×eSIM」でデュアルSIMとしての利用ができるのです。さきほどのiPhone SE(第3世代)もこの形式でデュアルSIMに対応しています。
なお、eSIM対応端末は限られているため、どの機種がeSIM対応なのかを確認しておく必要があります。
SDカードスロットを使用するタイプもあるので要注意
デュアルSIM対応のために、SIMカードスロットが二つ搭載されている端末の場合、注意すべきポイントがあります。それは、「SDカードスロットが使えなくなる場合がある」という点です。
デュアルSIMにも対応できるようにSIMカードスロットを二つ搭載しているものの、そのうちの一つがSDカードスロットと兼用になっている場合があります。
このときSIMカードを2枚差し込むと、SDカードは差し込めなくなります。
デュアルSIMとSDカードの双方を利用したい場合は、「SIMとSDカードでスロットが合計3つあるもの」や、「eSIM対応端末かつSIMとSDカードスロットがあるもの」を選ぶようにしましょう。
デュアルSIMの利用時におすすめな格安SIM「LIBMO」
デュアルSIMをスマートに利用するにあたって、重要なのは「SIMの組み合わせ」です。「大手キャリア×大手キャリア」の組み合わせは、利用可能エリアの拡大や安定感などの魅力はありますが、利用料金が高くなるケースがあるのは難点といえるでしょう。
一方、格安SIMと組み合わせることで、安価で利用できたりデータ容量をあまり気にせずに使えたりするというメリットがあります。
そのような格安SIMの中でもおすすめなのが、弊社が提供している「LIBMO(リブモ)」です。格安SIMといえば通信が不安定、というイメージが先行しているかもしれませんが、LIBMOは全国最多の基地局を有するドコモ回線を使用しているため、広いエリアで安定した通信環境を実現できます。
また、料金プランも安く、月々30GBまで使える大容量プランでも価格は2,728円(税込)と大変お得です。通話をメインとして利用されたい場合は、月間のデータ容量500MB+5分・10分・無制限のかけ放題がセットになったゴーゴープランもおすすめです。
▼LIBMOのプランについて詳しくはこちら
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なお、全国のドコモショップで「かけほ割」の受付が可能となっており、よりお得にLIBMOをご利用いただけるようになりました。
▼ドコモショップで申し込める「かけほ割」について詳しくはこちら
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このように、「通話メインの方」「大容量データ通信を希望の方」それぞれに向けて最適なプランやキャンペーンをご用意しておりますので、お好きな他キャリアとの組み合わせであなたに最適なデュアルSIMの利用をスタートできます。
まとめ
まだまだデュアルSIMの利用者層は多くないものの、通信障害発生時の予備回線として利用できたり、組み合わせ方によってお得に利用できたりと大きなメリットがあります。また、eSIM対応スマートフォンを利用すれば、SDカードとの併用も可能なため、対応機種を把握しておけば従来の使い方に制限がかかるということもありません。
お得に、そして安定した通信環境でデュアルSIMを利用されたい場合は、LIBMOとの組み合わせがおすすめです。この機会にぜひ、ドコモ回線の利用による安定した通信環境と、安価な料金プランの双方を実現したLIBMOの契約をご検討ください。
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