日本では、以前から続く契約更新期間外の解約によって違約金が発生する、いわゆる「2年縛り」の影響で、キャリアの乗り換えをためらうユーザーが多くいます。
しかし、2019年10月1日の電気通信事業法改正により、端末代金と通信料金の完全分離や2年縛りなどの期間拘束を是正する内容が盛り込まれました。これに伴い、契約の継続を前提とした本体価格の値引きが原則禁止され、違約金も上限額が1,000円に引き下げられました。
ただし、これらは2019年10月1日以前に契約した方には適用されず、キャリア各社によっても契約期間の縛りや違約金の規定は異なります。
本記事では、違約金の料金や契約の縛り期間などを比較して解説します。
解約で発生する料金内容
スマートフォンを途中解約すると、違約金(解約金)、端末代金、MNP転出手数料が発生します。以下にそれぞれについて解説します。
違約金・解約金
従来は、スマートフォンを新規契約する際に2年間の契約を前提にした、「2年縛り」と呼ばれる契約が一般的でした。ユーザー側には、2年間の使用を契約することで毎月の月額料金が割り引かれるメリットもあります。
しかし、2年ごとの契約更新月を含む前後3ヶ月以外の時期に解約した場合、NTTドコモ・au・ソフトバンクの3大キャリアでは10,450円(税込)の違約金が発生するデメリットがありました。もちろん、2年縛りのないプランもありますが、その場合は月額料金の割引は適用されません。
しかし、これらの条件は電気通信事業法改正に伴い、2年契約の途中解約に発生する違約金が上限1,000円とされ、2年契約していない場合の月額料金も差額が170円までに改定されました。
ただし、この法律が適用されるのは2019年10月1日以後に契約した方に限られ、それ以前に契約した方は引き続き10,450円(税込)の違約金が課されます。
端末代金
解約時に端末代金の支払いが終わっていない場合は、残金を支払う必要があります。
支払い方法は分割、一括のどちらでも可能ですが、これまでの契約中に端末代金の支払いを遅延・滞納したことがあると、分割払いは認められない可能性があります。
また、毎月の支払いにおいて端末代金の割引特典が適用されていた場合、解約時に端末代金の残金を支払う際には割引が適用されない点にも注意が必要です。
ちなみにこの場合、すでに支払った期間の割引分を追加で支払う必要はありません。
MNP転出手数料
従来、使用中の電話番号を変更せずに他社キャリアや格安SIMに乗り換える場合は、MNP(Mobile Number Portability)転出手数料として2,000円〜3,000円程度の支払いが必要でした。
しかし、、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの4キャリアではMNP転出手数料が無料化されます(NTTドコモ、KDDIは2021年4月1日、ソフトバンクは3月17日、楽天モバイルは2020年11月4日よりMNP手数料が無料化)。
そのため、キャリアからの乗り換え時にMNP転出手数料を気にする必要はなくなります。
転出の手順は、まず契約中のキャリアのWebサイトから10桁のMNP予約番号を発行し、その番号で転出先の事業者にMNP転入手続きをします。予約番号は取得日から15日間有効です。
次に、転出先のMNP転入手続き完了をもって、それまでの契約が解除されます。
ちなみに、転出できるのは音声通話機能付きSIMに限り、データ通信専用SIMとSMS機能付きSIMは対象外です。
MNPの概要はこちらの記事をチェック!
https://blog.libmo.jp/entry/2020/12/15/100000
契約期間の縛りや違約金を比較【大手キャリア編】
ここで大手キャリアのドコモ、ソフトバンク、au、楽天モバイルを例にとって契約期間の縛りや違約金を比較します。自身の契約プランに違約金が発生するかどうかの確認方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
NTTドコモ
NTTドコモは2019年10月に新プランを発表し、ギガホ・ギガライトの新プランを対象に従来10,450円(税込)だった違約金を1,100円(税込)に改定しました。
また、新プランでは2年縛りのような定期契約のないプランが追加されました。従来は定期契約ありのプランと定期契約なしプランの差額が月々1,500円もありましたが、これが170円まで減額、2年契約を結ぶ以外の選択肢がないと思っていたユーザーも、定期契約がないプランを選びやすくなっています。
さらにお得な方法として、定期契約がないギガホ、ギガライト、ケータイプランの支払い方法を、dカードもしくは家族カードを含むdカードGOLDにすれば、解約金不要かつ2年定期契約と同じ割引月額料金で利用可能です。
ただし、旧プランで契約し続けている場合は、解約金が10,450円(税込)かかるので注意しましょう。
違約金の詳細は、My docomoまたは電話で更新月を確認するといいでしょう。
ソフトバンク
ソフトバンクは、2019年9月に電気通信事業法改正に対応する新プランを発表しました。新プランでは2年縛りを撤廃し、2019年9月13日以後に契約した場合は料金据え置きで2年定期契約の解約金を取りやめています。
しかし、ドコモと同様に旧プランの契約をしたままだと、2019年9月13日以後でも更新月以外に乗り換えや解約を行えば解約金が発生するため注意が必要です。
2年縛りの有無は、My SoftBankにログインして、契約・オプション管理のトップ画面の表示を確認します。現在の契約プラン名の下に更新期間が表示されていれば2年縛りの対象、表示されていなければ2年縛り対象外です。
また、旧プランから新プランへ変更するには、ソフトバンクショップで手続きを行うか、My SoftBankにログインしてプラン変更する2種類の方法があります。違約金の発生が心配な方は、ソフトバンクのカスタマーサポートに電話で確認しましょう。
au
auにおいても、2年縛りの撤廃や解約金値下げの方向に舵を切っています。
auの場合、現在「2年契約Nプラン」を申し込んでいる方は、申込みの月から起算して24ヶ月目及びその翌月と翌々月の更新期間以外に解約すると、1,100円(税込)の解約金が課されます。
2年割引Nプランとは、2年間の継続的な利用を前提にスマホの料金が月々170円割り引かれるオプションプランです。
契約の解除を行わなければ、申込み翌月から起算して2年後に契約が自動的に更新・継続され、以降も同様で2年ごとに更新・継続されます。自身が2年契約Nプランを申し込んでいるかは、My auアプリのMy auサイトで確認できます。
ただし、2年契約Nプランは2019年9月以降に提供を開始したプランに適用されるため、それ以前に契約したユーザーは10,450円(税込)の違約金が適用される可能性が高いです。こちらもMy auサイトで自分が2年契約なのかを確認できます。
万が一、2年契約を結んでいてもauの加入年数が11年以上で、2年契約と家族割にセットで加入していれば解約金は3,300円(税込)になります。
楽天モバイル
楽天モバイルでは、スマートフォン開通月を1ヶ月目とカウントして最低利用期間が設定され、それ以前に解約すると所定の契約解除料が発生し、最低利用期間が過ぎれば契約解除料はかかりません。
契約解除料は、スーパー放題プランを例に挙げると、2017年9月1日から2018年6月14日午後7時59分の間に申し込んだ場合は、最低利用期間が1年の契約者で1年以内の解約では10,780円(税込)、最低利用期間が2年の契約者で1年以内の解約では21,780円(税込)、2年以内の解約では10,780円(税込)の違約金が発生します。
また、最低利用期間が3年の契約者で1年以内の解約では32,780円(税込)、2年以内の解約では21,780円(税込)、3年以内の解約では10,780円(税込)かかります。
2018年6月14日午後8時から2019年9月30日午後9時59分までに申し込んだ場合は、最低利用期間が1年、2年、3年のいずれでも、期間前に解約すると10,780円(税込)かかります。
2019年10月1日午前0時以降に申し込んだ場合、契約解除料はかかりません。
契約期間の縛りや違約金を比較【サブブランド編】
ここまで、大手キャリアの契約期間の縛りや違約金を比較しました。ここからは大手キャリア各社のサブブランドと呼ばれるUQモバイル、ワイモバイルを比較します。
UQモバイル
UQモバイルでは、契約プランと利用月数によって解約時の契約解除料の取り決めが異なります。
スマホプランでは月額料金が違うS・Rのどちらでも、最低利用期間の縛りや契約解除料は発生せず、おしゃべり・ぴったりプランは、プランS・M・Lのどれでも最低利用期間は2年で、契約満了日の翌月の契約更新月に解約すれば契約解除料は発生しません。契約更新月外に解約すると10,450円(税込)の契約解除料が発生します。
データ高速・無制限+音声通話プランでは、1年間の最低利用期間があり、1年以内に解約すると10,450(税込)円の契約解除料が発生します。データ高速・無制限プランでは、最低利用期間の縛りや契約解除料は発生しません。
また、端末の購入時にUQ購入サポートや端末購入アシストを契約した場合は、利用月数に応じて別途の契約解除料が発生します。
ワイモバイル
ワイモバイルでは、契約プランによって解約時の契約解除料の取り決めが異なります。
スマホプラン、データ通信プラン、4G-Sプランでは契約更新月外の期間に解約すると、10,450円(税込)の契約解除料が発生します。4G-Sベーシックプラン、ウィルコムプランLite/D+、スマホベーシックプラン、データベーシックプランでは、解約時期に関わらず契約解除料は発生しません。
ガラケーやPocket WiFi、データ通信の契約においては、それぞれ契約解除料が取り決められています。
なお、2019年10月1日以降に契約した場合は、ワイモバイルを2年以上継続して利用している契約者が、指定のプランへ変更申込みすることで契約解除料が免除されます。
条件は、スマホベーシックプラン・ケータイベーシックプランSSへの変更申込み、または、機種変更と同時にスマホベーシックプラン・ケータイベーシックプランへの申込みです。
現在契約中のプランはMy Y!mobileで確認でき、解約はWebか店頭で行えますが、近くにワイモバイルショップがない場合は郵送でも受け付けています。
まとめ
2019年10月1日の総務省発令の電気通信事業法改正によって、ユーザーに向けた料金の事前規制が原則撤廃となり、公平な条件で通信サービスが提供できるように接続ルールなどの公正競争ルールが整備されました。
その結果として大手キャリアでは、従来商習慣的に行われていた2年間の最低利用契約期間の撤廃と、契約更新期間以外での解約時の高額な契約解除料の是正が進みました。これらが見直されたことで、ユーザーは他社への乗り換えの障壁が低くなったのです。
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