水道光熱費の節約に効くおすすめ行動&NG行動とは?【節約コラム 第2回】

家と計算機


最近、電気料金の値上げに関するニュースが話題になっています。2023年2月、大手電力会社の10社が4月請求分の電気料金を発表し、10社中9社において前の月よりも高い設定となることが明らかになりました。同じくガスにおいても、天然ガスの輸入コスト高騰の影響で、2023年1月からガス料金の値上げが行われました。

この値上げラッシュの状況下で、今まで通りの電気・ガス・水道の消費の仕方を続けていては、料金明細の金額が上がっていくのをただただ眺めるだけになってしまいます。これまで面倒で避けてきたという方も、ついに「節約」を実践するときがきたのです。

さて、「節約=我慢ばかりでキツい…」と、ネガティブなイメージが多いかと思いますが、実はそんなことはありません。ライフスタイルを大きく変えることなく、ちょっとした工夫でできる節約も数多くあるのです

そこでこの記事では、水道光熱費の節約に効果的なおすすめ節約術と、反対にこれをやるともったいない!というNG行動をまとめました。

 

4人家族の一般的な水道光熱費は?

家計費を計算する人

まずは一般的な水道光熱費の月額平均額を確認してみましょう。

総務省の家計調査によると、2023年1月の2人以上の世帯における水道光熱費は33,463円でした。同じ1月でも2022年1月は27,657円、2021年1月は25,397円と、この2年で約8,000円も差が生まれています。

背景には世界的なエネルギー危機の影響があります。コロナ禍で減速した経済活動の復活によるエネルギー需要の拡大や、ロシアによるウクライナへの侵攻など、さまざまな要因が折り重なった結果、エネルギー価格は上昇の一途をたどっているのです。

参考:政府統計 家計調査 / 家計収支編 総世帯 詳細結果表

季節や地域でも変動がある

四季のうち、特に冬は日照時間が短く、気温も低くなる季節です。どの家庭でもエアコンやガスファンヒーター、照明器具の使用率が大幅に高くなります。

特に北に位置する地域ほどその傾向は顕著で、例えば2023年1月の北海道地方における水道光熱費は44,784円、一方同じ月の沖縄地方の光熱費は22,638円と、なんと2万円以上の差があります。

参考:政府統計 家計調査 / 家計収支編 総世帯 詳細結果表

 

電気代の節約で「やったほうがいいこと」

豆電球とお金


効率的に水道光熱費を節約する方法の一つとして、電気代の見直しが挙げられます。ここでは、電気代の節約ポイントを紹介します。

 

LED電球を使う

照明を白熱灯や蛍光灯からLEDライトに交換すると、効果的に節約可能です。LEDライトはその寿命や購入コストという側面でも十分節約につながりますが、電気代に注目してみてみると、以下のような節約効果が期待できます。

電球種別

電気代の節約効果(1年間使用を想定)

白熱電球

1年間で4888.08円

蛍光灯

1年間で995.72円

LED電球

1年間で706.06円

 

蛍光灯とLED電球を比較してもそこまでの差はありませんが、表にある通り、白熱電球とLED電球を比較すると約4,000円ほどの電気代に差があることがわかります。

参考:北海道ガス株式会社

 

使用頻度が低い機器の電源を切る

使用頻度が低い機器の電源を切っておくと、「待機電力」対策になります。

待機電力とは、家電製品などのプラグをコンセントに差しておくだけで発生する電力のことです。例えばタイマー機能やリモコン機能など、家電製品を使いやすくするためには待機電力は必要な機能といえます。しかし、使用頻度が少ない場合、この待機電力も無駄になってしまう恐れがあるのです。

待機電力節約のためには、まずは主電源をオフにしておきましょう。こうすることで、待機時消費電力量を約33%削減可能です。また、使用していないときにプラグを抜いていても問題ない家電製品であれば、思い切ってプラグを抜いてしまうのも良いでしょう。洗濯機などはその最たる例です。効果としては、約49%もの待機時消費電力量が削減できます。

参考:関西電気保安協会

 

エアコンの設定温度を見直す

節電において、エアコンの設定温度を変えることも効果的です。環境省が推奨しているエアコンの設定温度は冷房で28℃、暖房は20℃です。冷房を28℃に設定した場合、26℃に設定している時に比べて約1.6%~5.4%の節電効果が期待できます。推奨温度に設定するのが難しい場合でも、冷房はできるだけ高く、暖房はできるだけ低く設定しましょう。

参考:環境省経済産業省

 

電力会社や契約プランを変更する

現在利用している電力会社や契約プランの変更も、光熱費を節約できる場合があります。電力会社ごとにさまざまなプランがあるため、家庭に最適なプランを検討することが大切です。

ただし、電力会社やプランの変更は、かえって高額になるケースもあります。あらかじめ料金や諸条件をしっかり確認してから切り替えましょう。

 

電気代がかさむ「やってはいけないNG行動」

エアコンを操作する女性

水道光熱費の中で高額傾向にあるのが電気代です。電気代がかさむ行動を避けることで、効率良く節約できるため、以下の点に気をつけましょう。

 

古い機器を使い続けるのをやめる

まだ使えるからと古い家電を使い続けている方は多いでしょう。使えるのに買い替えるのはもったいないように思えますが、買ってから数十年経つようなものなど、古い家電は最新の家電と比べると節約面で劣ってしまうのは事実です。

例えば、地デジチューナーを搭載したブラウン管テレビの使用を継続しているケースもあるかと思いますが、液晶テレビへの買い替えで年間約4,000円、液晶テレビから最新機種への買い替えで年間約1,600円の節約効果が期待できます。冷蔵庫や洗濯機、エアコンなども同様です。

買い替え自体にかかる費用は決して安くはないため、節約がしたいのに本末転倒という考えもあるかもしれません。確かに使用頻度の低い家電であれば、無理に買い替える必要はないかもしれません。

ただ、使用頻度の高い家電の場合、新しいものなら機能面も優れているため、生活を豊かにするための投資であると考えることもできます。節約効果と利便性の両方を得るという観点でも、あまりに古い機器は買い替えた方が総合的に見てお得といえます。

参考:エネチェンジ

 

エアコンを何度もオン/オフしない

電気代を節約しようとして、エアコンのスイッチをこまめにオン/オフしている方も少なくないでしょう。

しかし、エアコンは電源を入れるたびに室温が設定温度になるよう運転するため、起動時が最も電力を使います。頻繁にエアコンの電源のオン/オフを繰り返してしまうと、その分無駄な電力が必要となり電気代の節約にならない場合があります。

では、どれくらいの時間外出するときに、エアコンを切ったほうがいいのでしょうか。ダイキンが行った実験によると、30分程度の外出であれば、エアコンを切るよりもつけっぱなしにした方が消費電力量は少なくなりました。反対に、30分を超える外出であれば、エアコンを切ったほうが消費電力は少なくなりました。

このことから、30分以内の離席であれば、エアコンの電源は切らないでそのまま運転させておいた方が節約になることがわかります。

参考:ダイキン

 

冷蔵庫の詰め込みすぎに注意

冷蔵庫の中に食品や調味料などを詰め込みすぎると、冷気の流れが悪くなり庫内が冷えにくくなります。温度が上がった冷蔵庫は、より冷却しようと電力を無駄に消費してしまうのです。

また、庫内にものを詰め込みすぎていると食品を探したり取り出したりするときに時間がかかったり、扉の開閉の回数が増えたりします。冷蔵庫の扉は開閉した分だけ庫内の冷気を外に逃がしてしまうため、再度庫内を冷却するために電力をより消費してしまうのです。

扉の開閉回数をなるべく少なくするためにも、できるだけ庫内を整理整頓しておきましょう。

 

逆に冷凍庫はすき間なく詰め込むほうがよい

冷蔵庫は詰め込み過ぎに注意とご紹介しましたが、実は冷凍庫の場合はその逆で、すき間が生まれないように詰め込んだ方が冷却効果は上がり、電力消費を抑えられるといわれています。これは、凍った食品それぞれが保冷材のような働きをし、お互いを冷やし合うためです。ぎっしり詰め込むことで冷凍庫を開けたときの温度の上昇を防ぐことにもつながります。

冷凍庫に入れるものがあまり多くないという方も大丈夫。日本冷凍食品協会によると、冷凍庫に少しすき間がある場合は、水を入れたペットボトルを入れることですき間を埋めると良いそうです。

このように冷凍庫はぎっしり詰め込んだ方がいいのですが、実践するときは庫内を整理整頓するように心がけましょう。目当てのものを探すために長時間冷凍庫を空けることになってしまえば、庫内の温度上昇につながり、期待した冷却効果が得られなくなってしまうためです。

 

水道代の節約で「やったほうがいいこと」

蛇口と計算機


水道は電気やガスとは異なり、地域によって供給元や料金などが決められています。供給する会社は選べないため、水道料金の節約は難しいと感じるかもしれませんが、ちょっとした意識づけで節約できます。具体的な節約方法を解説するので、ぜひ実践してみましょう。

 

節水蛇口や節水シャワーヘッドに交換する

節水蛇口や節水シャワーヘッドに交換すると、水の使用量を節約できます。水道料金は水の使用量に応じて発生するため、節水は大きな節約になるのです。現在の最新器具であれば、水圧を下げず水の使用量のみ格段に抑えられるものや、蛇口をひねらず水を止められる手元止水機構付きのシャワーヘッドも販売されているため、生活習慣をあまり変えずに節約したい方へおすすめの方法です。

 

浴槽のお湯の量に注意する

浴槽は水を大量に使うため、浴槽の湯量を少し減らすだけでも節水効果が期待できます。入浴時にお湯があふれてしまうのは、節水を考えるともったいないことです。浴槽に入っているお湯が少なく感じる量でも、入浴してみると十分なケースは多く見られます。そのため、あふれてしまうほどお湯を溜めないよう注意しましょう。

また、お湯は水の3倍コストがかかるといわれています。蛇口から約1分間、15℃の水と45℃のお湯を出した場合を比較すると、水の場合は「約2.7円」、お湯の場合は「約7.6円」のコストがかかり、3倍近くの費用がかかっていることが分かるでしょう。お湯を多く使うお風呂場で節水を心がければ、水道代だけでなくガス代の節約にもつながります。お湯はり機能付きのお風呂である場合、水位を少し減らして設定してみるのも節水にとても効果的です。

参考:花王

 

食洗器を活用する

水の使用量を減らすのであれば、食洗器を活用するのもおすすめです。

食器を洗う場合、どうしても水を出しっぱなしにしたり、すすぎに手間取ったりして水の使用量が増えてしまうでしょう。しかし、食洗器機であれば水を流しっぱなしにすることがなく、使用する水の量がほぼ一定のため手洗いするよりも節水できます。いつも多くの食器を洗わなくてはいけない場合は、食洗器の導入を検討してみましょう。

 

水道代がかさむ「やってはいけないNG行動」

続いて、水道料金がかさむNG行動を確認してみましょう。なるべく水道代がかからないように、日常生活でこまめな節水を心がけることが大切です。

 

ふとしたときの「水の流しっぱなし」

例えば、洗面台で歯みがきをする際に水を流しっぱなしのままブラッシングしている場合、無駄に水を使用していることになります。また、キッチンで食器を洗う際に水を流しっぱなしにするのも水道代がかさむ要因の一つです。

コップに水をためてからブラッシングしたり、洗い桶につけ置きしてから洗ったりといった工夫が必要です。

 

トイレを流すときいつも「大」を使う

トイレを流す場合、レバーの方向に「大」と「小」があり、流れる水量が異なります。しかし、違いを意識して使用している方はあまり多くないでしょう。実は「大」だけでなく、トイレの使用状況に合わせて「小」も多く活用すると、効果的に節水できるのです。

トイレは1日に何度も利用する場所であり、家族が多ければトイレの使用回数も増えます。トイレを流す際、少量の水でも十分な場合は「小」を積極的に利用して、節水を心がけましょう。

 

ガス代の節約で「やったほうがいいこと」

ガス


ガス代も日常生活のちょっとした工夫で節約可能です。ここでは、ガス代を節約する方法をポイントごとに解説します。

 

お風呂での節約ポイント(ガス給湯器の場合)

家庭でガス給湯器を利用している場合、お風呂での節約はかなり効果的です。お風呂場での具体的な節約ポイントとして、以下の4つが挙げられます。

 

・設定温度を低くする

お湯の設定温度を高くしていると、その分水の加熱が必要となるため、ガス代がかさみます。温度を低く設定できないか検討してみましょう。

 

・半身浴する

本来、お風呂に入るにあたって必要となるお湯の量は200L程度です。この湯量を減らして半身浴をすることで、大きな節約になります。

例えば、200Lのお湯を湯船にはった場合、都市ガスの場合は200L・40℃のお湯で約74円、プロパンガスで約129円のガス代がかかります。これを100Lに減らし、さらに前述した設定温度を下げるポイントをもとに38℃に変更すると、都市ガスで約34円、プロパンガスで約59円のコストになり、半額近い節約になるのです。

参考:ARUHIマガジン

 

・シャワーを出しっぱなしにしない

シャワーを利用する場合、お湯を出しっぱなしにしてしまうと、水道代だけでなく水を加熱するガス代もかさみます。こまめにシャワーを止めるように意識することが大切です。

 

・節水シャワーヘッドに交換する

水道代の項目でも紹介しましたが、お風呂のシャワーでお湯を出すときに節水すれば、ガス代の節約にもつながります。最も簡単な方法は節水シャワーヘッドへの付け替えです。湯量の減少はガス代の節約にとても効果的なため、実践してみましょう。

 

キッチンでの節約ポイント

お風呂場の次にガスを消費するのがキッチンです。主に調理や洗い物で使用するガスは、工夫次第で節約につながります。

 

・お湯の使用を最小限にする

お風呂と同様に食器を洗う際のお湯の使用量が減れば、その分加熱に必要なガス代が節約できます。なるべくお湯を流しっぱなしにせず、使用を最小限にしましょう。

また、それほど高い温度のお湯でなくとも、食器汚れは十分に落とせるため、設定温度を下げてみるのも方法の一つです。

 

・保温調理や圧力鍋などによる時短調理を行う

料理をする際は、火にかける時間をなるべく短くするようにしましょう。保温調理器具や圧力鍋を積極的に利用すると、ガス代の節約になります。また、同じ鍋で調理できるものはなるべく1つの鍋で火にかけたり、調理の順番を効率良くしたり、調理方法を工夫する方法もあります。

 

ガス会社の見直し

ガス代を節約するためにガス会社や料金プランを切り替えることもおすすめです。家庭に合わせて最適なガス会社・料金プランを選ぶことで、今よりもガス代をお得に節約できます。ガス会社によっては、電気・ガスのセットで契約すると割引が適用される場合があるため、一度契約内容を確認してから、切り替えを検討してみましょう。

 

ガス代がかさむ「やってはいけないNG行動」

ガス代がかさんでしまう具体的な行動をチェックしていきましょう。NG行動を避けることで、より効果的にガス代を節約できます。

 

追い焚きを何度も使う

お風呂の追い焚きはガス代を大きく消費してしまうため、多用は十分に注意しましょう。

また、自動追い焚き機能を使用し続けるのもNG行動です。入浴していない時でも追い焚き機能がガスを消費し続けてしまうためです。追い焚きの回数をなるべく減らすには、家族で入浴時間を集中させる、浴槽を使用していない時は保温のためにしっかりと蓋を閉めるなどの工夫が必要です。

 

暖房器具がガスヒーターのみ

家庭の中には、暖房器具がガスヒーターのみの場合もあるでしょう。しかし、ガスヒーターは稼働中にガスを消費し続けるため、ガス代がかさみます。ある程度部屋の温度が上がったら、ガスヒーターからエアコンや他の暖房器具に切り替えて、ガス代を節約しましょう。

また、サーキュレーターやホットカーペット・電気毛布などを適切に併用すると、ガスヒーターの利用量を減らせます。

 

まとめ

水道光熱費は、日常生活でのちょっとした工夫や意識一つで効果的に節約可能です。水道・電気・ガス、それぞれ節約できるポイントがあるため、ぜひ日常生活に取り入れてみましょう。毎月の固定費である水道光熱費が節約できれば、家計への負担が今より格段に軽くなります。

また、一時的な節約ではなく、家計状況に合わせて効率的な節約方法を継続することが重要です。

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【値上げラッシュに打ち勝つ!節約コラム】

第1回:無理のない節約は「固定費の見直し」がおすすめ!

第2回:水道光熱費の節約に効くおすすめ行動&NG行動とは?

第3回:通信費は月いくら?削減に効く方法とは

第4回:食費や日用品費の節約で知っておくべきコツとは?

第5回:保険費は削減できる!?節約のコツ&注意点を詳しく解説

第6回:娯楽費・被服費を節約するコツとは?よくあるNG行動も紹介

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